【ソウル17日聯合ニュース】ブッシュ政権で米国家安全保障会議(NSC)アジア部長を務めたビクター・チャ・ジョージタウン大学教授が17日、「北朝鮮の非核化と6カ国協議の最終目標は朝鮮半島の統一であるべき」との考えを示した。ソウルの高麗大学で行われた逸民外交安保フォーラムに出席して述べたもの。北朝鮮の最終目標が核兵器なら、国際社会は統一を考えるべきだとしている。
 チャ教授は、近く開かれるものと予想される米朝直接対話に触れ、「米朝の交渉がうまくいったときに韓米の政策協力がきちんと進むよう、今から準備すべき。(北朝鮮核問題に関する)危機管理は、周辺当事国がすべて透明なときにうまくいく」と指摘した。こうした発言は、米朝対話の急進展に伴う韓米同盟の緩みや参加国の言行不一致で、6カ国協議が難航する可能性を警戒したものと受け取れる。
 チャ教授は一方、米朝の交渉そのものについては、「テーブルに新たに載せるものがないと思う」と低く評価した。
 また、「金正日(キム・ジョンイル)政権の下で朝鮮半島の本当の非核化は達成されないと考える人々が増えつつある」とした上で、北朝鮮は核兵器を守ろうと全力を傾け、これまで数々の逆境にもかかわらずこの任務の完遂にある程度成功したと述べた。
 続けて、「北朝鮮の2回目核実験で多くの人が米国の『核の傘』がいかに確実かに関心を持った」とし、李明博(イ・ミョンバク)政権は6月の韓米首脳会談で米国の「核の傘」に関する言及を共同声明書で明文化するため非常に努力したが、実際にはこれは韓国国内の懸念を念頭に置いたものだったと説明した。
 米国はこうした懸念を払しょくするため、北朝鮮の1回目、2回目核実験直後に高官クラスの使節を韓日に急派したと述べ、「多くの心配にもかかわらず、わたしは北朝鮮の核に対する米国の抑止力が依然として確実だと信じている」と強調した。
 また、韓米は制裁などを通じて北朝鮮の挑発行為をある程度遮断するのに成果を挙げていると評価した一方、現実的に韓米の同盟で北朝鮮に3度目の核実験を断念させる方法はないと述べ、北朝鮮は核を放棄しないとの見解を示した。ただ、「朝鮮半島の非核化も重要だが、6カ国協議の本当の目標は、朝鮮半島を超えアジアの平和と繁栄に向けたより大きな価値であるべきだ」と強調した。

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