【ソウル28日聯合ニュース】金正日(キム・ジョンイル)総書記が務める国防委員長を「国家の最高領導者(指導者)」と明記した北朝鮮の改正憲法全文が28日、公開された。また、「人民の人権尊重・保護」が国家の任務だと、新たに明記していることも確認された。
 同日にメディアに公開された北朝鮮の改正憲法は、4月の最高人民会議で11年ぶりに改正されたもので、第8条は「国家は(中略)労働者、農民、軍人、勤労インテリをはじめとする勤労人民の利益を擁護し、人権を尊重し保護する」と明示した。これまでは勤労人民の利益擁護・保護は定められていたが、人権保護に関する義務事項は記されていなかった。
 また、第100条では「国防委員長は朝鮮民主主義人民共和国の最高領導者だ」と明記した。さらに「国防委員長の任期は最高人民会議(国会に相当)の任期と同じ(第101条)」「国防委員長は全般的武力の最高司令官で、国家の一切の武力を指揮統率する(第102条)」など、従来の憲法になかった項目が新たに追加された。
 改正憲法は国防委員長の権限と任務について、▼国家の全般事業を指導▼国防委員会事業を直接指導▼国防部門の重要幹部を任命または解任▼他国と締結した重要条約を批准または廃棄▼特赦権を行使▼国の非常事態と戦時状態、動員令を宣布――の6項を明記した。また、「国防委員長は命令を出す(第104条)」「国防委員長は自身の事業に対し最高人民会議で責任を取る(第105条)」という条文が新たに含まれた。1998年9月に改正された北朝鮮憲法には、国防委員長の権限・任期などに対する内容はなく、国防委員会の関連事項だけを盛り込んでいた。
 今回の改正憲法は、金日成(キム・イルソン)主席の「主体(チュチェ)思想」を指導的指針として明示した従来の憲法に「先軍思想」も加え、「主体思想、先軍思想を指導的指針にする(第3条)」とした。また、従来の憲法第29条「社会主義、共産主義は(中略)創造的労働によって建設される」など3つの条文にあった「共産主義」という言葉を削除した。

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