ホ・ジノ監督=(聯合ニュース)
ホ・ジノ監督=(聯合ニュース)
映画『きみに微笑む雨(原題:好雨時節)』は、ホ・ジノ監督の変化を見せる作品だ。これまで使わなかったハンドヘルド・カメラレコーダーと早い編集を用いて映画に不安感とスピード感を吹き込み、そこへ男女主人公の成熟したロマンスとコメディーを加えた。
 
実際、『きみに微笑む雨』のカット数は530カットと、彼の作品のうちでは一番多く、相当に早いリズム感を出している。ホ監督は先のインタビューでこれについて、「カメラ部分に変化を与えようとした」と明かした。慣れないハンドヘルド・カメラレコーダーを使い、やや荒くなろうとも、感情をきちんと織り込むことが大事だと考えたという。

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映画は、かつてタイミングを逃した男女が中国・四川省の成都で再会し、4日間の恋に落ちるというストーリーだ。ホ監督が「ロマンチック・コメディーとして見てほしい」と話した通り、笑いを誘うシーンも意外に多い。

ホ監督に言わせると、主人公ドンハ役のチョン・ウソンは「監督の正確な指示のある演技に慣れた俳優」だが、監督自身は現場を重視するスタイルだ。「特定の状況を与え、俳優らが何かを作り出すよう誘導するんです。そんな作業は容易ではありませんが、ウソンさんは上手でした。本人も試写会で、自分のアイデアが生かされたシーンを見て何度も笑っていましたね」

ホ監督は、細かい感情の流れをカメラにきちんと収める監督と評されるが、同作でもそうした長所が余すところなく発揮されている。ドンハとメイ(カオ・ユアンユアン)が路地裏で記憶のパズルをはめるように語り合うシーン、ドンハがメイに詩人になる夢をあきらめた理由を打ち明ける雨の中のシーン、竹林でのキスシーンは印象的だ。

ホ監督は、最も記憶に残る場面に雨のシーンを挙げた。「人工雨の状態が良くなくて頭を悩ませたのですが、午前2時ごろに雨が降ったんです。本当に“好雨時節(降るときを知っている良い雨)”だなと思いました(笑)」

前作とはやや異なるムードや撮影スタイルのため、ホ監督のファンは多少失望するかも、との指摘に対しては、前作の比較は監督として負担になると答えた。「さまざまな試みを行い楽しく撮った映画です。ときめきを覚えるような、映画を見た後に微笑が浮かぶような作品として記憶されればいいですね」
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