今回は2008年の統一地方選挙以来2年ぶりの全国単位選挙で、2012年の第19代国会議員総選挙、大統領選挙を前に、民心の流れを見定める機会ともなる。結果によっては、政治構図の再編などが後に続くと予想される。このため与野党とも、党組織と体制整備はもちろん、有力候補の擁立、選挙戦略策定、政策・イシュー開発など、選挙体制へのシフトを進めている。
中央選挙管理委員会によると、今月2日の広域団体長予備候補登録を皮切りに、3月19日の広域議員・基礎団体長・基礎議員(郡守・郡議員は同21日)予備候補者登録、5月18~19日の候補者登録を経て、5月20日から公式選挙戦に入る。
今回の選挙は、任期半ばとなった李明博(イ・ミョンバク)政権に対する中間評価の性格があるうえ、次期大統領選挙の前哨戦とも認識されており、一歩も譲らない大接戦が予想される。与党ハンナラ党は、政権維持の基盤固めに向け「経済回復に向けた政権安定論」を、野党第一党の民主党は「無能・独走政権審判論」を掲げ、票を確保する戦略だ。
ハンナラ党と民主党の2強体制のなか、選挙戦は、忠清圏を基盤とする自由先進党、親朴(朴槿恵(パク・クネ)氏派)の未来希望連帯、進歩勢力の結集を狙う民主労働党・進歩新党が、地方票の獲得に向け活発なキャンペーンを展開する見通しだ。特に、野党は「連帯」による共同地方政府構想を進めており、実現なるかが注目される。
与野党ともに間もなく、中央党および各市・道党に公認審査委員会を設置し、広域団体長は中央党で、基礎団体長と広域・基礎議員は市・道党で、それぞれ公認候補選びを開始する計画だ。
ハンナラ党では、今後の親李(李明博大統領)派と親朴派間の政治的立地がかかっているだけに、第18代国会議員選挙と同様、公認獲得戦争が予想される。民主党も、丁世均(チョン・セギュン)代表と鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員を軸とする党権派と非党権派のし烈な争いが予告される。
選挙最大の勝負地は、ソウル市、京畿道、仁川広域市の首都圏3か所と、世宗市建設問題が変数として内在する忠清圏と見込まれる。特に、今回の選挙では、世宗市計画の修正をめぐる与野党間・与党内部の対立が全般的な空気を分ける重大要因として浮上するなど、変数も少なくない。世宗市問題が早期に終結しなければ、建設計画の修正案と原案をめぐり各政派が正面衝突し、忠清圏の票に決定的な影響を与えると予想される。ハンナラ党としては、親李・親朴間の対立を収め、選挙総力体制を固めることができるかが注目される。
このほか、4大河川再整備事業、庶民経済再生、雇用創出、教育改革など各種政策も、争点となる見通しだ。
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