【ソウル9日聯合ニュース】韓国銀行金融通貨委員会は9日、政策金利を年2.00%から2.25%に引き上げた。政策金利の引き上げは2008年8月(0.25%)以来。インフレ圧力に先制対応するための利上げ断行で、16か月におよぶ過去最長の据え置きにピリオドが打たれた。
 今回の利下げは本格的な出口戦略施行に向けたシグナルと受け止められ、年内の追加利上げが予想される。また、これを受け各種借入金利が上がり、個人や中小企業の借金返済負担が拡大するとみられる。
 韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は会見で、消費者物価上昇率は現在2%台後半にとどまっているが、今後は景気上昇傾向の持続に伴う需要圧力の増大などで、物価上昇圧力が拡大を続けると予想した。下半期には3%台に入る可能性があり、さらに来年は3%を超えるとした。
 また、韓国の上半期成長率は7%を上回ると見込んだ。その上で、現在の政策金利は、経済成長率や今後の物価上昇率などを考慮すると非常に低い水準だという見方に異論はないだろうと述べた。
 当初は8月の利上げが予想されていたが、韓国経済に年6%に近い成長が見込まれるなか、インフレ圧力に先制して対応するため、今月の利上げに踏み切ったとの説明だ。特に、物価上昇圧力が拡大を続けるとの発言は、年内に追加の利上げがある可能性を示唆したものと受け止められる。
 6月の消費者物価上昇率は前年同月比2.6%で、5か月連続の2%台となった。上半期の上昇率は2.7%で、韓国銀行の見通し(2.5%)より高かった。年間上昇率も韓国銀行予想(2.6%)を上回る3.0%前後となる見通しだ。
 金総裁は、一部欧州国の財政問題による国際金融不安、主要国景気の変動性拡大などが再燃するリスクは残っていると指摘した。
 ただ、高い輸出の伸びと着実な内需の増加、民間部門を中心とした雇用市場の改善傾向などで、今後の国内景気は海外リスク要因がともに存在するなか、上昇を維持すると見通した。
 金融通貨委員会はこの日、通貨政策方向決定文を公表。通貨政策は金融緩和基調を維持しつつ韓国経済が物価安定基調の上で堅調に成長できる方向で運用するが、国内外の金融・経済状況を総合的に考慮すると明らかにした。

ジュンス の最新ニュースまとめ



Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0