シンポジウムのようす。右から金研究員、コッサ所長、峨山研究院の咸在鳳(ハム・ジェボン)所長、白研究委員、ニクソン・センターのトンプソン研究員
シンポジウムのようす。右から金研究員、コッサ所長、峨山研究院の咸在鳳(ハム・ジェボン)所長、白研究委員、ニクソン・センターのトンプソン研究員
【ソウル13日聯合ニュース】米国のシンクタンク・米戦略国際問題研究所(CSIS)パシフィックフォーラムのコッサ所長は、「北朝鮮は中国が計らってくれるからと思うままに行動している」と指摘し、そうした状況で北東アジアの安定を実現することが可能なのか、中国は自問すべきだとの考えを示した。
 峨山政策研究院の主催で13日に開かれた、韓国哨戒艦「天安」沈没事件後の北東アジア安保と未来をテーマとする国際シンポジウムに出席したコッサ所長は、韓国と米国は北朝鮮問題において、中国は解決策ではなく問題点だと見るようになっているとしながら、このように述べた。中国は北東アジアの安定を最優先に考えていると主張してきたが、核不拡散はなおざりになっているとした。
 また、東海(日本名:日本海)と黄海で実施した韓米合同軍事演習は、中国を狙ったものではなく、北朝鮮にこれ以上の挑発を許さないというメッセージを送ることが目的だったと強く述べた。
 このほかコッサ所長は、中国は、北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党中央委員会行政部長が中国式の改革方向を目指し、次期指導者となる金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男ジョンウン氏を誘導するものとみていると述べた。中国の対北朝鮮政策は、金総書記の死後、北朝鮮が次期指導者体制となったときに最上の状況を期待するものだと主張した。
 「天安」沈没事件に関しては、昨年の大青海戦(黄海上での南北銃撃戦)に対する報復、権力継承問題と関係があるようだとの見方を示した。北朝鮮の次期指導者が軍部から支持を得られるようにすることが目的だったのではないかと説明した。
 また、この事件が発生しなかったとしても、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議が進展する可能性は極めて低いと強調。金総書記は、政権存続のためには核兵器を保有しなければならないと確信しているように見えると指摘した。
 同シンポジウムに出席した世宗研究所の白鶴淳(ペク・ハクスン)首席研究委員は、北朝鮮は昨年国連安全保障理事会が採択した決議1974に失望したとの見方を示した。6カ国協議当事国が、北朝鮮の政権交代を試みないとのメッセージを明確に示さなければ、北朝鮮は同協議への復帰を決心しないだろうと分析した。
 このほかシンポジウムでは、「天安」沈没事件の解決に向けた対北朝鮮政策をめぐり、さまざまな意見が示された。
 リビア元コリアソサエティー会長は、在韓国連軍司令部と北朝鮮軍が先ごろ行った実務協議は、関連国が「天安」事件を超え北朝鮮核問題を論じるための「出口戦略」として活用できるだろうと述べた。
 コッサ所長は、李明博(イ・ミョンバク)大統領が北朝鮮を除く6カ国協議当事国が集まる場を設け、「天安」事件の後続対策を話し合うことを提案した。
 韓国国防研究院の金泰宇(キム・テウ)専任研究員は、「出口戦略」は必要だが環境はまだ整っていないと述べた。北朝鮮に寛容を繰り返し、早期に出口戦略を取れば、北朝鮮にさらに勝手な行動を取らせることになり、南北関係を悪化させかねないと懸念を示した。

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