金総裁は、先月に政策金利を引き上げたが、引き上げ幅(0.25%)は大きくなく、金融市場と住宅市場、個人と企業に及ぼす影響は制限的だったと評価した。そのうえで、潜在成長率や物価上昇率など実体経済状況から、1度の利上げでも、現在の通貨政策基調は「極めて緩和的(highly accommodative)」な状態だと診断した。
また、消費者物価上昇率が10~12月期に韓国銀行中期物価安定目標の中間値(3.0%)を上回るとの見通しに、格別に注目する必要があると指摘した。物価上昇が勢いを増せば、消費者のインフレ期待心理も上昇する可能性があると強調した。
個人負債と中小企業の構造調整に関しては、低金利に依存しすぎ体質改善が遅れることがないよう、通貨政策も一定の役割を務めなければならないとの考えを示した。
先月の利上げの影響は制限的で、現在の金利水準が物価や成長勢に追いついていないという金総裁の発言は、追加利上げの可能性を念頭に置いたものと解釈する余地がある。これについて金総裁は、講演後に記者団に対し「中長期的に(政策金利正常化に)向かうのが望ましいという意味。いつどうするかは別の問題」だと説明した。正常化の速度は前後の状況を見て判断する必要があると述べた。
またこの日の講演で、金総裁は、下半期(7~12月)成長率は前期比0.8%と、上半期(1~6月)よりやや鈍るとの見通しを示した。上昇傾向に歯止めがかかるのではとの懸念が一角で出ているが、鈍化は上半期の成長率急騰に伴う反作用とみられるとし、懸念が誇張された面があると指摘した。
このほか、実質国内総生産(GDP)は今後、韓国経済の潜在力(潜在GDP)水準まで上がり、潜在GDPから名目GDPを引いた需給ギャップは下半期にプラス転換すると予測した。
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