オム・テウン=(聯合ニュース)
オム・テウン=(聯合ニュース)
「時間が流れ、タマネギの皮をむくように少しずつ自分の中にある姿が現れたらと思います。いつかは自分だけの演技スタイルを見つけることができるでしょう」――。

オム・テウン の最新ニュースまとめ

 映画『シラノ:エージェンシー』で主人公ビョンフンを演じた俳優オム・テウンに、ソウル・三清洞のカフェで会った。同作品は、恋愛に不慣れな顧客が恋愛に成功するよう手助けするエージェンシーが舞台。ビョンフンはエージェンシーの代表で、顧客と自分のかつての恋人の縁結びをしなければならないジレンマに陥る。

 脚本そのものに親しみを感じたというオム・テウン。自分が経験したことがあるような、あるいは周りで聞いたことがあるような物語という印象を受けた。いい演技ができたかどうかは分からないが、楽しく撮影できたと振り返った。ある程度恋愛経験もある30代半ばの俳優としては、比較的演じやすかったことだろう。

 「映画撮影でいつも残念に思うのは、役に完全に感情移入できないことでした。受身な態度が問題だったんでしょうね。でも、今回は少し違いました。俳優が作っていかなければならない部分を、監督ときちんと話し合うことができました。撮影のたびにあった飲み会が役に立ったようです(笑)」。

 1998年に映画『あきれた男たち』でデビューしたオム・テウンは、最近、忙しい日々を送っている。昨年は『チャウ』『携帯電話』2本の映画と、放映中、視聴率トップを守った大ヒットドラマ『善徳女王』に出演した。ことしは『シラノ:エージェンシー』に続き、現在は今月放映予定のドラマ『ドクターチャンプ』を撮影している。

 ドラマと映画、どちらに重点を置いているかと尋ねると、「選べる立場ではありません」との答えが。ドラマを手放すことはできないし、映画も好きだが、先輩らのように映画一筋でやっていけるほどの役者ではないしと笑う。どちらも人がする仕事なので、面白いところがあるのだと話す。

 俳優として10年間走り続け、役作り、演技力への苦悩が常に頭から離れず、ひどいストレスを受けてきた。だが、『善徳女王』が終わってからは仕事が楽しくなってきたという。「演技がうまくなったわけではなさそうですが、何かがふっ切れたような感じですね」。

 ”歌手で女優のオム・ジョンファの弟”として知られるところから始め、今では俳優として独り立ちした。これからは自分ならではの演技スタイルを見つけたいと、意欲を燃やす。チェ・ミンシクやソル・ギョングの演技を見ていると「炎のよう」だと感じ、自分もそうなりたいが、「自分には何かが中で爆発する演技はできない」と考えている。

 「今はこれが自分の演技スタイルみたいです。うらやましいけれど、炎のような演技は自分のものではないかもしれないと納得しています。いつかは自分の中にあるものを見つけるときが来るでしょう」。

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