韓国銀行金融通貨委員会定例会議のようす=16日、ソウル(聯合ニュース)
韓国銀行金融通貨委員会定例会議のようす=16日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル16日聯合ニュース】韓国銀行の金融通貨委員会は16日の定例会議で、政策金利を0.25%引き上げ、年2.50%とすることを決めた。
 各国が輸出に有利な自国通貨安を誘導する「通貨安競争」が、11、12の両日にソウルで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)を機に小康状態に入ったなか、物価不安が広がったことで、市中の金の流れを引き締めこれを抑制しようという措置と分析される。この利上げが銀行など金融機関の融資金利を引き上げ、個人と企業の利子負担が増えるなど、経済全般に影響が広がることが予想される。
 金融通貨委員会は7月に、世界金融危機後初めて政策金利を0.25%引き上げ年2.25%としたが、8~10月は世界景気の鈍化懸念と通貨安競争に伴う国内外経済の不確実性を理由に据え置いた。
 韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は、会議後の会見で、利上げに踏み切った背景について、消費者物価上昇率が農産物価格を中心にさらに伸びており、景気上昇が続くなか国際原材料価格が上がったことで、同銀の物価安定目標の中間ラインを上回る3%台を維持すると予想されることを説明した。
 消費者物価は9月に3.6%、10月に4.1%急騰し、韓国銀行の物価管理目標値(3.0プラスマイナス1.0ポイント)を超えた。
 金融通貨委員会はこの日発表した通貨政策方向決定文で、今後の通貨政策について「韓国経済が堅調な成長を続けるなか物価安定が維持できるよう運営する」と述べた。昨年4月から用いてきた「金融緩和基調の下で」という文言が削除された。また、金総裁は「きょう政策金利を引き上げたが、現在の政策金利水準は金融緩和基調に近い」と述べている。
 金融緩和基調は、低金利で景気の上昇を下支えするというもの。こうした通貨委と金総裁の発言から、来月さらに利上げを行う可能性も排除できなくなった。
 ただ金総裁は、世界的に不確実性が存在するなかですべてを急に動かすことはできないとしながら、「金融緩和基調という文言を外したことをめぐり、(追加)利上げを予想する必要はない」とも述べている。
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