チャ・テヒョン=(聯合ニュース)
チャ・テヒョン=(聯合ニュース)
韓国俳優のチャ・テヒョンが新作映画『ハロー・ゴースト』で2年ぶりにスクリーンに復帰した。自殺したい男サンマン(チャ・テヒョン)がゴーストと同居することで繰り広げられるストーリーを描いた作品だ。22日の韓国公開に先立ち、ソウル市内のカフェで話を聞いた。

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 新作は試写会の前から、前作『過速スキャンダル』(2008年)と比較された。『過速スキャンダル』の大ヒットから2年、チャ・テヒョンが再びコメディー映画に出演するとみられていたためだ。

 しかし、チャ・テヒョンは「コメディー映画ではない」と断言する。まず脚本から、コメディーとはかけ離れた作品だという。確かに、試写会で見た作品には、笑いとは距離があった。ことしの韓国映画で最もどんでん返しが際立った作品だが、どのシーンで笑えばいいのか戸惑うほど、コメディーの要素がない。

 「芝居をオーバーにしたらどうかと悩んだりもしましたが、そのたびに監督が感情を抑えることが重要だとおっしゃって。すべてのエピソードが結末につながっているので、ややもすれば構成を崩しかねないという理由からでした。演じながら本当に悩んだ作品です」。

 表情など細かい演技にも気を配った。子どもからお年寄りまで、4人のゴーストがサンマンの体にのりうつるため、1人5役を演じたことになる。演じ分けは少し大変だったが、それほど大きな苦労とは思っていないと話した。コンピューター・グラフィック(CG)を使う代わりに、ワイヤーアクションにも挑戦し、肉体的な苦労もややあった。

 今回演じたサンマンは、自殺したがっている。1995年にデビューし、ドラマや映画で順調にキャリアを重ね、歌手や司会者としても活躍し、トップスターになったチャ・テヒョンも、そんな気持ちになったことがあるだろうか。実は自殺まではいかないが、一時「パニック障害」に苦しんだと打ち明けた。ステージに立つと冷や汗をかき、息が苦しくなった。2003年には米国でのイベント出演中、突然の呼吸困難で病院に運ばれたこともある。

 発症の原因は過度なストレスだった。2001年の大ヒット映画『猟奇的な彼女』のあと、次第に人気が衰え、「再びトップの座に就かなければ」というプレッシャーに常に追い立てられていた。「いつかは下り坂を歩くんだ」と覚悟はしていたが、いざそのときが来ると、心が大きく揺れた。不安を抑えるため、精神安定剤も服用したが、そうするほど不安は広がった。彼を救ってくれたのは、仲間の芸能人の存在だった。

 「意外にパニック障害のような症状に悩む芸能人が多かったんです。彼らと話をすることで、少しずつよくなりました。『空中ブランコ』(精神科医が主人公の奥田英朗氏の著作)のような小説も助けになりました。何よりも結婚してよくなりましたね」。

 そんななか、2008年に主演作『過速スキャンダル』が観客動員数800万人を突破する大ヒットを記録し、再び注目されることになった。以来、青春物よりも30代半ばのキャラクターを演じることが面白くなったという。また、「自分に合った役割を務めなければ」と話す。テレビのバラエティー番組を見ると出演したくなるが、「俳優として最小限の神秘感」を守るため我慢しているのだとか。

 今がまさに”第2の全盛期”だというチャ・テヒョン。一度「下り坂」を経験したためか、世の中の怖さも知り、怖いもの知らずで活動していたころよりもっと慎重になった。

 現在は済州島で、次回作『チャンプ』を撮影している。これが終われば、時代劇に挑戦する予定だ。「少しずつ演技に変化をつけています。割とち密でしょ」と笑うチャ・テヒョンに、5年後はどんな俳優になっていると思うか尋ねた。

 「25歳から主役を張るようになって、夢は全部かないました。5年後には40歳にふさわしい役を演じているでしょうね。自分でも楽しみにしています。悪役以外はほとんど何でもやったので、演じてみたい役は特にないです。浮気するおじさんを演じているかもしれませんね」(笑)。

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