楊選手は向こう3か月間、WTFが主催する国際大会に出場できなくなった。ただ、WTFが来年主催する最初の大会が5月の世界選手権(韓国・慶州)のため、国際大会出場への実質的な影響はない。また、2012年ロンドン五輪のアジア大陸予選は来年7月に開かれるため、五輪出場資格も維持される。
一方、楊選手のコーチは20か月資格停止、台湾テコンドー協会には罰金5万ドル(約419万円)という厳しい処分が下された。
WFT関係者は「楊選手がこれまでテコンドーに貢献したことや選手としての能力などを考慮した上での決定のようだ」と伝えた。
広州アジア大会で優勝候補とされていた楊選手は、ベトナム選手との初戦で足に付着する電子防具が規格に反すると判断され、試合終了12秒を残し失格となり、主審の判定に抗議した。その後台湾ではテコンドー発祥国の韓国に対する反感が高まるなど、波紋が広がった。
台湾の中央通信社によると、楊選手は「ロンドン五輪に影響はないようだ」と話しながらも、コーチに対する厳しい処分には遺憾を示した。また、違反行為に対する指摘も受け入れにくいとした上で、「わたしの無実を立証するためにできることはもう何もない」と悔しさをにじませた。
台湾テコンドー協会側は、懲戒が予想以上に厳しいと不満を漏らしているが、選手らの国際大会出場に影響しないよう罰金は払う方針だと伝えられた。
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