【ソウル20日聯合ニュース】北朝鮮が金正日(キム・ジョンイル)総書記の秘密資金を扱うとされる朝鮮労働党「38号室」の室長に、「39号室」の室長だった金東雲(キム・ドンウン)氏を起用したようだ。北朝鮮消息筋が20日、明らかにした。
 北朝鮮は2008年初めに金総書記の秘密資金や物資を管理する「38号室」を、朝鮮労働党の資金運用を担当する「39号室」に統合したが、昨年5月に再び分離した。統一部も先ごろ発表した2011年版北朝鮮権力機構図で、「38号室」が復活したと明記している。
 北朝鮮が「38号室」を復活させたのは、金総書記から三男の正恩(ジョンウン)氏への後継構図を構築する過程で費用がかかるとの判断によるものとみられる。
 新任の金東雲室長は、清津鉱山金属大学を卒業し、1980年代に採取工業委員会局長を歴任。1990年からは大成経済連合体の総社長などの肩書きで、「39号室」の室長を務めた。
 組織統合で「39号室」の室長に全日春(チョン・イルチュン)氏が就いた際には、同組織ナンバー2(副部長)として活動していたとされる。金東雲氏は、欧州連合(EU)が北朝鮮に対する制裁として2010年1月に同地域への旅行禁止対象に指定した北朝鮮高官13人に含まれている。
 一方、全日春氏が室長を努める「39号室」は、大聖銀行や高麗銀行などの主な金融機関を管理しているほか、100以上の工場や企業所を直営している。

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