金妍兒=(聯合ニュース)
金妍兒=(聯合ニュース)
【ソウル22日聯合ニュース】東京で3月21日に開幕するフィギュアスケートの世界選手権で、金妍兒(キム・ヨナ)が約1年ぶりに公式大会に出場する。ぶっつけ本番で世界舞台に臨む五輪女王は、昨年バンクーバー五輪でマークした女子シングルの歴代最高得点(228.56点)に匹敵する記録を打ち立てられるかどうかに注目が集まっている。
 今シーズンの傾向を見れば、理論的には十分可能とみられる。変更された採点基準が高得点の獲得に有利になっているためだ。
 台湾で19~20日に行われた4大陸選手権で安藤美姫は201.34点で優勝した。200点という点数は金が2009年の世界選手権で初めて200点を超え、207.1点の高得点で優勝した時までは考えられなかったレベルだ。金はその後もグランプリシリーズとバンクーバー五輪で200点を上回り、世界歴代最高得点を塗り替えた。バンクーバー五輪で浅田真央とジョアニー・ロシェット(カナダ)が200点を上回ったのに続き、安藤も200点超え。1年でフィギュアの点数に急激な「インフレ」が発生したわけだ。
 今シーズン前まで金の歴代最高は誰にも抜かれない記録になるとの見方が有力だった。国際スケート連盟(ISU)が採点基準を変え、ショートプログラムの規定要素からスパイラルシークエンスを除外したためだ。最高で5点をもらえるスパイラルの変更で、選手の基礎点は下落したが、ジャンプに失敗した時の減点基準が細分化されたほか、高難度ジャンプの基礎点が上がり、これを相殺した。
 実際、安藤は基礎点が高くなったルッツとループの連続ジャンプをショートプログラム(SP)とフリーで相次ぎ成功させ、高得点につなげた。2位の浅田も回転数が足りないなどのミスがあったが、前より高い基礎点を確保できた。これまではジャンプに失敗すると1段階低い基礎点が適用されたが、今シーズンからは足りない回転数が半回転未満の場合、70%の基礎点がもらえるためだ。
 さらに、評価点(GOE)で以前より多くの加点を獲得できるようになったのも選手の点数稼ぎに影響している。大韓氷上競技連盟関係者によると、ISUは審判に対し、いい演技には多くの加点を与えるよう強調しているという。
 2年ぶりの世界選手権優勝を目指す金の成績についてもこうした特徴を攻略し、強みを強調することにかかっているとみられる。「教科書」とも呼ばれる完ぺきなジャンプと演技力を披露できれば、昨シーズンのような成績を出せると予想される。
 ただ、実戦経験が足りないことを考慮しなければならない。1年間大会に出場していない金と違い、これまで実戦経験を積んできた安藤や浅田らの選手はシーズンが進むにつれ演技の完成度を高め、高得点をマークする傾向があるためだ。

Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0