【ソウル21日聯合ニュース】東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け放射性物質に対する不安感が広がるなか、韓国でも放射線測定器が品薄となっている。
 測定機器輸入業界が21日に伝えたところによると、最近、放射線測定器購入に関する問い合わせが殺到しており、大部分の製品の在庫が尽きたという。
 ある放射線測定器専門の輸入業者関係者は「1日中問い合わせの電話がある。数百万ウォン台の高額商品が少し残っているだけで、後は在庫が切れた」と話す。放射線関連機器専門業者も、放射線測定器は専門機器のうえ値段が高く個人が買うことはほとんどなかったが、「最近は日本人を含め一般市民の問い合わせが多い」と伝えた。やはり在庫は全てなくなった状態だという。
 放射線測定器はほとんどが欧米製で、100万ウォン(約72000円)前後の携帯用製品から数百万~数千万ウォンの精密製品まで、種類はさまざまだ。需要が検査機関や研究所、産業体などに限られるため、業者側は在庫を大量に持たず、購入の問い合わせがあれば注文し取り寄せる形で販売するのが一般的だ。
 しかし、福島原発の事故以来、世界各国で放射線測定器需要が高まり、調達が困難になっている。前出の輸入業者は、個人用測定器の需要が特に高く、海外本社に注文したが、いつごろ仕入れることができるか、はっきりとした回答がない状態だと伝えた。
 一方、放射性物質による健康被害をある程度防ぐとされるヨウ素剤(ヨウ化カリウム)への関心も高まっている。
 カトリック大学医学部核医学科の金聖勲(キム・ソンフン)教授は、最近は1日10人ほど、ヨウ素剤処方などを問い合わせる電話があると話した。そのうえで、「韓国内では直接の放射線被害がなく、ヨウ素剤の服用は必要ない」と指摘した。
 また、ヨウ素を含む海藻類を摂取すると効果的だという話が広まり、大型スーパー、ロッテマートのソウル駅支店では16~17日、ワカメ、昆布などの売り上げが前週よりそれぞれ56.6%、140.7%増加した。
 大韓災難(災害)医学会は、日本の原発事故以来、韓国で被ばくへの不安が高まりすぎていると警鐘を鳴らす。正確でない情報で不安がらず、落ち着いて対応してほしいと呼びかけている。

Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0