訪朝団は10人で、午前11時10分ごろ板門店の軍事境界線を越え、北朝鮮側に入った。金剛山の温井閣で朝鮮仏教徒連盟(朝仏連)と対面し、子ども用の虫下し10万錠など救援物資を伝達した。また、神渓寺を訪れ、朝仏連関係者らと協力案を協議した。神渓寺は新羅時代に建立されたが、朝鮮戦争で焼失。2004年に曹渓宗と朝仏連が共同で復元作業に着手し、2007年に完了した。
今回の訪朝は、釈迦誕生日を10日(旧暦4月8日)に控え計画したもの。訪朝団団長を務めるヘギョン僧侶は、出発に先立ち聯合ニュースの取材に応じ、神渓寺で釈迦誕生日を記念することは喜ばしいとしながら、「まだ南北間に春が来ていないことをもどかしく思う」と述べた。
また、曹渓宗報道官の正満(ジョンマン)僧侶は、「南と北の交流と人道的支援は釈迦の慈悲精神に基づき極めて当然のこと」だと述べ、今後も引き続き北朝鮮支援を行う考えを示した。
曹渓宗が当初計画していた南北合同法会は、政府当局の許可が下りず取り止めとなった。訪朝団は同日午後5時ごろ、陸路を通じ韓国側に戻る予定だ。
政府は昨年の北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件後の対北朝鮮措置により、原則として訪朝を禁じているが、乳幼児など弱者層のための純粋な人道的支援を目的とする訪朝に限り許可している。今回の曹渓宗の訪朝については3日に承認した。政府が3月31日に北朝鮮の社会的弱者に対する人道支援を再開して以来、開城工業団地入居企業関係者や金剛山観光地区関係者以外の訪朝は、これが3度目となる。
曹渓宗は2000年代に入ってから毎年、朝仏連と合同で釈迦誕生日の法会を実施したが、2008年7月の金剛山韓国人観光客射殺事件や、昨年の韓国哨戒艦撃沈事などで2009年と2010年は行っていない。
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