【ソウル聯合ニュース】米アジア財団韓米政策研究所のスコット・シュナイダー所長が、「北朝鮮は李明博(イ・ミョンバク)政権との交渉をやめ次の政権まで待つ戦略を立てたようだ」との見方を示した。
 峨山政策研究院主催のセミナーに出席するため来韓したシュナイダー氏は15日、聯合ニュースのインタビューに応じた。韓国に強硬姿勢を取ることで、次政権に影響を及ぼす狙いだろうと説明した。以下はシュナイダー氏との一問一答。
――北朝鮮が南北秘密接触の暴露や南北対話拒否など、韓国に強硬措置を取る理由は何だと考えるか。
「北朝鮮は李明博政権との交渉をやめ次期政権まで待つ戦略を立てたようにみえる。現政権の対北朝鮮政策が気に入らないので、強硬路線を取ることで来年の大統領選挙と次期政権の対北朝鮮政策に影響させようという計算が読み取れる」
「先月の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中が北朝鮮の暴露行為にどう影響したかも注意すべき点だ。金総書記が韓国への強硬措置に一種の確信を得たかもしれないし、中国との関係で何かを得ようと、そうした行動を取っていることもあり得る」
――国際社会がもう少し中国に圧力を加え、北朝鮮を説得させるべきだとの意見もあるが。
「中国が北朝鮮に相当の影響力を持つことは事実だが、重要なのは、中国はさほどその影響力を行使する考えがないように見えることだ。国際社会が圧力をかけても、特に効果を得られない可能性は大きい」
――北朝鮮の次の行動の見通しは。
「当分は韓国への強硬路線を続けると思われる。そのレベルを巧妙に調整しながら、別の挑発に出る可能性も排除できない。韓国政府は新たな挑発行為があれば断固対応すると言っているが、実際に対応するかどうかは、まだ見極めるべき問題だ」
――一角で浮上している「6カ国協議無用論」に同意するか。
「北朝鮮が核開発の事実を認める唯一の場である6カ国協議は、依然、意味を持っている。問題は、当事国がそれぞれ異なる目的を追求していることにある。米国は6カ国協議を通じた北朝鮮の非核化を求めているが、中国は6カ国協議を危機管理の手段と認識している」
「目標が北朝鮮の非核化ならば、6カ国協議の有用性は疑わしい。米国はウラン濃縮プログラムを検証する方法を持たないからだ。これは現実的または政治的に米国が北朝鮮と非核化関連交渉を行うことはできないことを意味する。非核化のための6カ国協議の見通しを暗くしている最大の問題点でもある」
――南北対話から米朝会談を経て6カ国協議を再開するという韓国政府の「3段階案」に対する見解は。
「現状では北朝鮮との交渉そのものが不可能だ。従って、6カ国協議を再開するには交渉(negotiation)と対話(dialogue)を区分する必要がある。核以外の問題に関する対話から始め互いの立場を明確に理解することが、6カ国協議再開の助けとなり得る」
「問題は韓国政府が韓国哨戒艦沈没、延坪島砲撃事件に対する謝罪を先とする原則にこだわっていることだ。万一、南北対話が再開されても、この問題がどのような形であれ解決されなければ、対話を長く続けることは難しいだろう。ただ、北朝鮮はすでに謝罪はできないとの方針を示しており、あまりこの問題を気にしていないように見受けられる」

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