「Secret」左からソナ、ジウン、ヒョソン、ジンガー
「Secret」左からソナ、ジウン、ヒョソン、ジンガー
【ライジングスター】来る8月3日に「Madonna」で日本デビューを飾ることが決定し、7月6日には東京で「Premium Debut LIVE」を開催する「Secret」。バラエティ番組で“おバカキャラ”炸裂のハン・ソナ。(この記事は「Secret」ソナ【1】から続いています)

Secret の最新ニュースまとめ

<b>■孤独が大きな敵だった</b>
 紆余曲折の末に練習生となったが、ソナの前には考えもしなかった難関が待っていた。孤独がそれだ。ひとり釜山からソウルに上京し、20歳になった少女がその孤独を拭い去ることは、何よりも難しくつらいことだった。「ひとり家族と離れて生活することがどれほどつらいのかは、経験してみないとわかりません。ひとりで食事をするのもつらく、何よりも夜ひとりで毛布に包まって寝るのがとても怖かったです。そんな生活を続けているうちに鬱(うつ)病になり体重もかなり落ちました」

 そのため当時、両親の「空席」を最も大きく感じたという。普段、両親に愛嬌も見せない娘だったが、会えないせいか電話をする度にさまざまな感情を出し、会話するようになった。また、妹や弟に多大な愛情を表現した。孤独な生活はソナをさらに大人にさせたのだ。「幼い頃から両親が共働きだったので、わたしが下の子の面倒を見ていました。ご飯も作り勉強もさせました。しかし、すごく恐い姉だったと思います。両親の代わりなので仕方がありませんでした」

 これまで明るくインタビューに応じていたソナが涙を見せたのは、両親の話を本格的に始めたときからだ。「必ず成功して、育ててくれた母に青春を返してあげたいんです。母は今のわたしの年齢で出産したので、とても若く、友人のような感覚でいられる存在です。大きくなってから知ったのですが、母も芸能界を夢見ていたそうなんです。でも、早くに結婚しわたしたちを産んだので、その夢を諦めざるを得なかったんです。母が『当時は子どもを育てる楽しさしか知らなかった』と言うのですが、そのとき涙を流していました」

 落ち着いて話し終えたソナの頬にはいつの間にか涙が流れていた。いつも明るい笑顔だけを見せてきたソナだったため、彼女の涙に驚くしかなかった。インタビューはしばらく中断し、ソナが心を落ち着かせた後、再開した。「父は98年のIMF時に失業しました。当時、偶然にも父の日記帳を見ることがあり、『(ソナの)母に月給も持って来られず、子どもたちに小遣いも渡せず、本当に申し訳ない』という内容が書かれていたんです。その夜、父の横で眠ったのですが、なぜか涙が出てきて…」。再びソナの目には、すぐにでもこぼれ落ちそうな涙が溜まり始めた。

<b>■デビュー前にして「青春不敗」のメンバーに抜てき</b>
 ソナがKBS2のバラエティ番組「青春不敗」のメンバーに選ばれたという知らせは周囲に衝撃を与えた。デビューもしていないガールズグループのメンバーが地上波のテレビ番組に出演するということだけでも、大きな反響を呼んだ。ソナに関する情報はほとんどない状態。そのため、ネットユーザーが抱く期待はゼロに等しかった。しかしソナは隠された才能で、「Secret」というグループを広めるのに一役買った。だが、彼女の苦悩を知る者はほとんどいない。「デビューする前で、初めての番組だったのですが、少女時代、KARA、BROWN EYED GIRLS、T-ARAなどそうそうたるメンバーとともに出演するため、緊張しないと言ったら嘘になりますよね」

 こうしてソナは、バラエティ番組で生き残らなければならなかった。時には現場を飛び出したいほどぎこちなさを感じたが、ソナは徐々に別の出演者たちと息も合ってきた。「本当に何も知らない状況で恐怖が襲ってきました。憎たらしい行動にならないか心配にもなり、当時は映る尺のことは頭にありませんでした。常に『どうしたら出演者と仲良くなれるのか』、『失言してしまわないか』という不安の方が大きかったです」

 しかし、彼女の心配とは裏腹に、撮影に入るとキム・シニョンらMCはもちろん、別の出演者までがソナを温かく出迎えたのだ。「撮影が始まって一月、皆さんによくしていただいたにもかかわらず、わたしが勝手に気にしていたようです。撮影が7時に始まるのですが、車で現場まで向かう途中に、いつもマネジャーにアドバイスを求めました。まるで、小学校や中学校に入りたての子供が心配すぎて母親にあれこれ聞くような(笑)」

 しかし特有のハツラツとした性格と愛嬌でソナは「青春不敗」の出演者と隔てなく、合い始めた。「時間が経ち、出演量も心配するようになりました。『Secret』を代表しているので、グループにプラスになるように頑張りました。今は、『Secretの名前を広めた』という満足感に浸り、気分もいいです(笑)」

 番組序盤、出演者ソナに見逃せないチャンスが訪れた。それは“おバカ”というキャラクターが定着したことだ。視聴者は「おバカキャラ、ソナ」と注目し、自然と「Secret」というグループも知れ渡るようになった。

<b>■今のわたしを作ってくれた“おバカキャラ”に感謝</b>
 こうして「Secret」の認知度も高くなり、“おバカキャラ”が浸透していく中で、ソナは視聴者の視線を釘づけにした。しかし、“おバカキャラ”はいいことばかしではなかった。「“おバカ”というキャラクターで知られてしまい、メンバーに申し訳ないという思いもあります。『もっと良いイメージだったら』と残念な部分が…」

 多くのメディアインタビューでソナは「“おバカ”は、キャラクターに過ぎない」と話してきた。しかし、一度定着したイメージは簡単には変えられない。「多くの方々が『Secret』がテレビ出演する度、『おバカなソナがいるグループ』という反応を寄せてくださるのですが、それを聞くと『わたしはこれでよかったのかな』と思っていました。ただ“おバカ”ではなく“純粋”なイメージで見ていただければ…という思いでした」

 「おバカキャラ、ソナ」というイメージに慣れなかった彼女は、そのニックネームだけでも変えられないかと模索したという。そして考え付いたのが、「牛乳美白のソナ」(ウユ ピッカル:牛乳美白=肌が白くきれいなこと)だった。しかし、それさえも簡単ではなかった。「わたしの思い通りにはなりませんね。自ら、学生をターゲットにした化粧品広告も考えたのに…(笑)。結局、イメージを変えることは諦めました」

 キャラクターが有名になればなるほど、ユーザーはソナが実際にも無知なのではという疑問を抱くようになったのも事実だ。力強く笑ったソナは「突拍子もない面もあり、性格は気さくな方です。特に、『青春不敗』に行くと、自然と“おバカ”になってしまうんです。撮影でも正解よりも誤答をまず口走ってしまって…。もちろん、面白さを追求した部分もありますよ(笑)」。「“おバカキャラ”にハマってしまい、キャラが抜けなかったようです。不思議な魅力がありました。良い反応をくださった方々は、キャラクターに忠実な姿が良かったと褒めてくれました」

 「おバカキャラ、ソナ」が自身にとってどんな存在かを問う質問に彼女は、「有難い存在」と答えた。「“おバカキャラ”は今のわたしを作ってくれた有難い存在です。でも、ステージではカリスマ溢れる歌手として、ベストを尽くしたいと思っています。まだまだ未熟ですが「タレントと歌手」、二足のわらじを履けるように一生懸命に頑張ります」

 インタビューをしながら感じた点は、ソナがただ分別のない少女ではないということだ。彼女は、自身よりはグループをまず考えている。「わたし」よりも「わたしたち」、ソナという個人よりは「Secret」というグループを先に考える姿から、ソナがなぜ成功したのかを感じることができた。


Copyrights(C)wowkorea.jp 0