ライオンAP副社長=19日、ニューヨーク(聯合ニュース)
ライオンAP副社長=19日、ニューヨーク(聯合ニュース)
【ニューヨーク聯合ニュース】「今回の報道写真展に対する審査結果の信頼性と受賞作の高いレベルに満足している」――。
 国連ミレニアム開発目標(MDGs)に向けた「聯合国際報道写真展(YIPPA)」の審査委員長を務めたAP通信の写真担当副社長、サンティアゴ・ライオン氏は19日、審査の透明性と信頼性確保に向け努力したと明らかにした。 
 ライオン氏は先月、ニューヨークのAP通信で聯合ニュースのインタビューに応じ、「量よりは質を」と写真展参加者にアドバイスしていた。同氏は写真記者として26年間、全世界の葛藤(かっとう)地域を駆け回ったベテラン現場記者。1991年の湾岸戦争や1992年のコソボ紛争なども取材した。彼のカメラに収められた歴史の記録は全世界の人々に生命の大切さを知らせ、紛争が招いた悲劇を伝え、多くの人の脳裏に忘れられない記憶として刻まれてきた。写真展の審査委員長としてライオン氏以外の適格者を探せなかったのもこうした理由からだ。
 ライオン氏は「今回の写真展がMDGsの意味を正確に、そして忘れられないよう伝える重要なコミュニケーションの場になることを期待する」と強調した。同写真展はフォトジャーナリズムを通じ国際平和、地球環境保護、人類共同繁栄を追及する国連の目的を喚起し、MDGs達成を支援するために行われるもの。聯合ニュースメディアグループ(聯合ニュース、聯合ニュースTV、聯合インフォマックス)が主催し、国連、外交通商部、文化体育観光部が後援する。8月10日にソウル会場で開幕するほか、同22日からはニューヨークの国連本部でも開催される。主な一問一答は以下の通り。

イオン の最新ニュースまとめ


――湾岸戦争やコソボ紛争など主に紛争地域で取材をしてきたが、そうした経験から得た報道写真の定義は何か。
 「写真はコミュニケーションに関するものだと思う。写真を通じ語る視覚的なコミュニケーションだ。写真を通じ、効果的に、即刻的に、忘れられないようにコミュニケーションすることだ」
――長く取材してきたが、最も記憶に残る写真を挙げるなら。
 「3枚ある。まず、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが首都カブールを包囲した1996年に同国の赤十字社配給所で撮った女性の写真だ。すべての女性がブルカ(イスラム教徒女性の全身を覆う衣服)を着用していたが、ある1人の女性がブルカをまくり上げる場面だ。同写真は究極的に女性の人権とアフガン女性のつらい状況を示す象徴となった。また、ボスニアで撮った写真もある。狙撃手の銃に撃たれた女性の写真だったが、同女性は車の通る道に長く放置された。同写真はさまざまな国で報道された。最後にコソボで取材したものだ。ある男性が家族をトラクターに乗せ、国境を越えながら泣いた写真だ。コソボ地域では男性はめったに泣かないため、めずらしい写真だった。安全で自由な地域に到着して涙がこみ上げたのだろう」
――記事より写真のほうがより重要になる傾向があるが。
 「最もいいのは二つの融合だ。二つの融合は非常に強力だ。写真と記事はボクシングのワンツーと同じだ。写真は即刻的で速い。同時に読めるし、考えることもできる。記事は詳しい状況を説明し、深さを伝える」
――今回の写真展は極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の完全普及達成、ジェンダー平等推進と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康改善などMDGsと関連した多様なテーマを持っている。こうしたテーマは非常に抽象的である一方、評価は主観的になる可能性があるが。
 「今回のテーマは実質的な問題を取上げている。報道写真は実質的な問題と関連がある」
――今回の審査で最も重視した部分は。
 「クオリティ(質)だ。質の高い写真だからこそ、効果がある。理解できることや一貫性も必要だ。同時に興味深さや視覚的な刺激を求めた」

Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0