JYJ(C-JeSエンターテインメント提供)=(聯合ニュース)
JYJ(C-JeSエンターテインメント提供)=(聯合ニュース)
「以前は下絵に色を塗っていたとすれば、今は下絵から創意的に描いているという感じ。伝えたいメッセージを盛り込んでいるうちに、目指したい音楽にさらに一歩近づいた気がします」――。韓国人気グループ「JYJ」が、先ごろスペシャルアルバム「In Heaven」をリリースした感想を語った。

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 アルバムには1月に韓国で出版したミュージックエッセー「THEIR ROOMS~僕らの話~」の収録曲と今年のワールドツアーで公開した曲が収められた。
 昨年、英語のワールドワイドアルバム「The Beginning」を発表したが、韓国語のアルバムは発表することができなかった。韓国のCD流通会社が、「JYJ」がSMエンターテインメントと紛争中であることを理由に難色を示したためだ。
 紆余(うよ)曲折を経て、「In Heaven」の発売が決まるやいなや、初回注文枚数が30万枚に達した。発売日だった先月28日には、同アルバム専用の会計カウンターを設置した店もあった。それだけ「JYJ」のアルバムを心待ちにしていたファンが多かった証拠でもある。

 メンバーのジェジュン、ユチョン、ジュンスとって、良い曲ができあがっても発表できないという状況は「商業的にお金を稼ぐためでなく、作った曲を大衆に聞いてもらうことがどれほど大切なことか」を気付かせてくれた。活動時間がどれだけ与えられるかは分からないが、できるだけ長い間、3人で良い曲を歌い続けたいと考えている。

 3人は「東方神起」のメンバーだったころに自作曲を披露したことはあるが、アルバムの収録曲の8割を自作曲が占めたのは今回が初めて。アイドルのなかで唯一、メンバー全員がシンガーソングライターといえる。
 ジュンスはニューアルバムについて、「ワールドツアーなど、(前所属事務所をやめてから)2年間の思い出と歩んできた過程が盛り込まれています。僕たちが作ったアルバムという理由だけでも十分愛着があり、ターニングポイントとなる作品です」と紹介した。
 ユチョンとジェジュンは、未熟な部分もあり完成度が高い部分もあるが、メンバーが知恵を出し合いいろいろ試みたレコーディングの過程そのものが楽しかったと振り返った。

 タイトル曲の「In Heaven」と「I.D.S」「ピエロ」「Nine」はジェジュンが、「Mission」「落ち葉」はジュンスの自作曲。「Get Out」はジェジュンとユチョンが作った。3人ともそれぞれ追求する音楽は異なるが、個人の趣向を抑えハーモニーに重点を置き、「JYJの音楽」を完成させた。互いに信頼しているからこそ可能な作業だった。ようやくミュージシャンとしての面白みも分かってくるようになったという。

 一方で、「JYJ」には難関が残っている。音楽番組への出演はめどが立っていない上、「ピエロ」と「Mission」は先ごろKBSから放送不可の判定を受けた。KBSは「ピエロ」について、歌詞の一部が前所属事務所を非難するようなニュアンスがあるためと説明した。
 ユチョンは「歌手なら誰もが、放送で歌を披露したいという思いを持っているはずです。僕たちは公演を行うことで歌い続けていきます」と心境を語った。
 3人はこのような困難のなかでも「JYJ」として多くの成果を上げ、発展があったと強調する。ジェジュンは先ごろ放送が終了したドラマ「ボスを守れ」で俳優としての可能性を見いだし、ユチョンはドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」、「ミス・リプリー」で俳優としてすっかり定着した。ジュンスは人気ミュージカルの俳優に成長した。
 「さまざまなことに挑戦しました。やむを得ずやったこともあれば、成長のために努力した部分もあります。その過程でメンバーは歌手、公演演出者、俳優に発展しました。なかでも一番発展したのはメンバーの心です。小さなことにも勝つことができなかった狭い心が成長を遂げ、大人になったような気分です」(ジェジュン)
 「以前と異なることを経験すること自体が負担ですが決して乱れないメンバーがいることは幸いだと思います。いつかはすべてのことを笑いながら思い出し、『成長したな』と感じるときが来るよう力を合わせていきたい。最近は表情が暗くなるようなことも少なくなり、よく笑います」(ジュンス、ユチョン)

 ◇日本含む海外公演にも意欲
 「JYJ」は、新たな挑戦に乗り出す。韓国の歌手としては初めて29日にスペイン・バルセロナのパラウ・サン・ジョルディで、11月6日にドイツ・ベルリンのテンポドロームで公演する。ジュンスは、最近は欧州でもK-POPが人気だが、欧州のトレンドに合わせるよりは「『JYJ』が得意とする音楽で認められたい」と意気込んだ。

 日本の所属事務所のエイベックスとの対立で活動に制約があるが、ファンが多い日本での活動にも力を入れたいと望んでいる。以前に比べ公演回数は減ったが日本に行きたいという思いが強いというユチョンは「日本でシングルを発表し、全国ツアーも行い、番組にも出演したい」と意欲的だ。

 3人とも「東方神起」という4文字に対する思いは今でも格別のようだ。「『東方神起』の影から脱し、ようやく独り立ちしたと感じているか」との質問には次のような答えが返ってきた。

 「時間が流れ、今は『東方神起』と『JYJ』という呼ばれ方をしていますが、グループ名を3人のイニシャルから取ったのは『東方神起』のなかで『JYJ』という名で活動するということを意味しています。『東方神起』の影から脱するという考えはありません。僕たちは依然、『東方神起』なので、元『東方神起』のメンバーという表現も嫌いです」(ジェジュン)

 3人は今年でデビュー8年目となる。後輩のアイドルグループも増えたが、今でも自らアイドルだと思っている。
 ジュンスは「アイドルだからいろんなことに挑戦する多様性が保障されます。国内では、アイドルは音楽の実力が足りないという先入観が大きく、脱アイドル化の傾向がありますが、僕たちはアイドルのイメージから脱するより、むしろアイドルも実力があることを見せつけたいのです」と自信をのぞかせた。

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