「常に欠点を考えることは競争力に繋がるようです。わたしに対する無心、または期待のなさがわたし自身を興奮させるんです」。韓国女優イ・ユンジは「本人の競争力は何だと思うか」という質問にこう答えた。10月25日、聯合ニュースとのインタビューでのことだ。

イ・ユンジ の最新ニュースまとめ

女優イ・ユンジはシチュエーション・コメディ「ノンストップ4」(2003)でデビューして以来、TVを主に活動してきた。ドラマ、芸能番組の司会、バラエティなどジャンルを分けない“偏平足”だった。8年間、ほとんど休まずにブラウン管に現れたが、映画とは縁がなかった。キム・ハヌル主演のホラー映画「霊」(2004)に脇役で出演したのが、映画の経歴すべてだ。

11月3日公開の「カップルズ」は彼女の実質的な映画デビュー作であり、主演作だ。チョン・ヨンギ監督が演出した同映画は、偶然に偶然が重なり合い、一度にいろいろなカップルが誕生する過程を描いたロマンチック・コメディ。「主演級が5人ですが、わたしが一定部分の責任を負うのは初めてです。シナリオも硬く、共演する俳優も良かったため、出演を決めました」

「カップルズ」でイ・ユンジは、ユソク(キム・ジュヒョク)と恋に落ちる交通巡査エヨン役を演じた。天然でありながらも可愛い姿を失わない愛らしいキャラクターだ。反面、しっかりとした考え方を持つ彼女には、もしかしたら過激な“変身”だったのかもしれない。「初映画なので少しは安全に、ドラマで見せてきたイメージを自ら変えたいという思いはありました。わたしがドラマを通して作り上げてきたイメージをそのまま持ちながら、“まさかイ・ユンジ?”という感嘆詞を得られるのであればいいなと思いました」

相手役のキム・ジュヒョクとの呼吸については、「所属事務所が同じで何度か顔を合わせたことがある」とし、「映画というジャンルに慣れていなかったが、先輩が配慮してくれた」と語った。「映画のキャラクターで最も似ている役柄は何か」と問うと、本人が演じた「エヨン」だという答えが返ってきた。「わたしだけでなく、出演者全員が実際の性格とキャラクターのシンクロ率が80%であるように思います。『カップルズ』は俳優の演技よりは、話の仕組みが重要です。そのため、俳優それぞれが持った既存のイメージを活用したという側面があります」

イ・ユンジは昨年、演劇「Proof」に主人公「キャサリン」役でダブルキャスティングされ、初の演劇に挑戦した。そして、ことしは演技の勉強のため、大学院に進学した。ジャンルの壁をこえ、演技の幅を広げようとするイ・ユンジは、これからもさまざまなジャンルに挑戦しながら発展した姿を見せるのが目標だという。「神がかりの演技で大衆を引きつけるよりは、だんだんと発展する姿を見せたいです。わたしは大きな才能を持っているとは思いません。自分自身、冷静な方だと思います。足りない点があれば『あなたは、まだまだ』と、鞭(むち)を打ちます。わたしが持っているものが無くならないように最大限、努力しています(笑)」