2011年11月14日にベールを脱いだKBS2TVの新月火ドラマ「ブレイン」(脚本:ユン・ギョンア/演出:ユ・ヒョンギ)は人間の考えや意思を左右する「魂の箱」、すなわち脳を扱う神経外科の医師たちの話だ。韓国の医学ドラマで神経外科をテーマにするのは「ブレイン」が初となる。

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 ドラマは成功に向かう欲望を抱いた神経外科専門医イ・ガンフンが真の医師になるまでの過程を描き、脳に関する多様なエピソードを込める。KBSはリアルな手術シーンを演出するために40億ウォン(約2億7000万円)を投じ、京畿道(キョンギド)・華城(ファソン)に800坪余りの大規模な病院セットを作った。

 11月8日にカトリック大学ソウル聖母病院で開かれたドラマ制作発表会でユ・ヒョンギプロデューサーは、「『勉強の神』(邦題:ドラゴン桜<韓国版>)を終え、ユン・ギョンア作家ともうひとつ作品を作ろうと話し合いを重ねた結果、人間の心をテーマにした話はどうかということになった」とし、「『ブレイン』は西洋医学から見る人間の心、すなわち脳医学に関する話」と紹介した。

 リアリティーの問題に関しては「ユン作家がある病院前のコシウォン(受験用の寮)に泊まり、2か月余りに渡って研修医たちと生活しながら取材を行った。今もアシスタントが病院に宿泊し、エピソードを収拾している。また、聖母病院で27年間働いた看護師と神経外科カン・ソクグ副教授が撮影現場で手の動作をひとつひとつ見せてくれた」とし、「こうしてリアリティーの問題はある程度解決できたといえる」と語った。

 主人公イ・ガンフンを韓国俳優シン・ハギュンが演じる。大学病院神経外科専門医2年目のガンフンは自他共に認める実力のある医師だが、医術よりも成功に欲望をみなす人物だ。不遇だった幼少期のトラウマで成功に執着する彼は、自身とは180度違った背景を持つジュンソクと競争し辛い敗北を経験するが、キム・サンチョルという立派な「師匠」に出会い、真の医師として成長していく。

 シン・ハギュンは「新しさが多い作品であるため『ブレイン』を選択した」とし、「韓国で一度も扱ったことのない素材『脳』を描く点、医学ドラマとしての見どころにロマンス、ひとりの若者の成長などが合わさった点に魅力を感じた」と話した。今までの医師(キャラクター)との違いについては「とにかくイ・ガンフンが欲望に捕らわれた人物であること、人間の最も根底にある部分をうまく表現できるように演じている」と紹介した。

 イ・ガンフンの「師匠」であるキム・サンチョル教授役はチョン・ジニョンが演じる。キム・サンチョルは脳科学に通達した世界的な脳の専門家で、弟子には気難しいが、患者にだけは誰よりもベストを尽くす理想的な医者だ。チョン・ジニョンは「“理想的な医師”といえるが、実はわたしの役柄は“変わり者”という表現が合うのではないだろうか。変わった部分が多いため、“理想的な医師”よりは“変な医師”として見えるかもしれない」と笑った。続けて「脳という部分はすごく不思議だ。その中で起こる病変を見ると嘘みたいな部分も多い」とし、「興味深いストーリーが展開されるだろう」と話した。

 イ・ガンフンのライバル、ソ・ジュンソク役にはチョ・ドンヒョクが。ジュンソクは容姿、学閥、家庭環境などすべてにおいて整っているガンフンの同期で、仕事や恋愛でガンフンと対立することになる。チョ・ドンヒョクは「ジュンソクは“すべてを兼ね備えた人物”で、自分自身のバックグラウンドを利用し何かを成し遂げては、ガンフンと常に対立する」と紹介した。前作で“野獣男”を演じるため、筋肉量を10kg以上増やし話題となった彼は、「神経外科は最も自負心が高く、鋭敏な部署と聞いた」としながら、痩せればキャラクターと合うようで減量にも精魂を込めたと語った。

 ガンフン、ジュンソクと三角関係を形成する神経外科研修医3年目のユン・ジヘ役にはチェ・ジョンウォンがキャスティングされた。ユン・ジヘは仕事に関しては貪欲だが、患者には限りなく温かい人物だ。チェ・ジョンウォンは「ジヘはとても温かく人間的なキャラクター」とし、「そんな役に出会えて幸せ。個人的に脳に関心も多く、ドラマに期待している」と語った。