【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央テレビと朝鮮中央通信の報道内容を確認したところ、金正日(キム・ジョンイル)総書記の秘密資金を扱う部門とされる「朝鮮労働党39号室」の全日春(チョン・イルチュン)室長が7月29日以来、約5か月ぶりにメディアに姿を現した。
 朝鮮中央通信は15日、「金総書記が開店を控えている光復地区の店舗を現地視察した」と報じた。同地区は「スーパーマーケット」と称され、大型マートであることを示唆した。
 朝鮮中央テレビの報道では、全氏が後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏より近くで金総書記に随行し、金総書記に説明している姿が見られた。
 朝鮮中央通信は視察に金総書記の実妹・金敬姫(キム・ギョンヒ)党軽工業部長と夫の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長、朴道春(パク・ドチュン)、崔竜海(チェ・リョンヘ)、文京徳(ムン・ギョンドク)の各党書記らが同行したと伝えたが、全氏には触れていない。
 全氏は金総書記の秘密資金を管理しており、北朝鮮メディアにも姿を現さない人物だ。39号室は朝鮮労働党の資金を管理する組織で、大聖銀行、高麗銀行など主要金融機関と企業を所有している。偽造100ドル札「スーパーノート」の制作、麻薬取引などの違法行為で外貨を稼いでいるとされている。
 韓国政府関係者は「全氏は現在、外貨稼ぎも担当している。現地視察の場所が北朝鮮の外貨稼ぎと関係があるため、(金総書記に)随行したようだ」と話した。

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