【ソウル聯合ニュース】昨年、K-POPはアジアを超え、世界に広まった。日本や東南アジアなどでは現地の大衆文化に根を下ろし、欧州や南米ではファン集団が形成された。K-POP拡大の先頭に立った一部の芸能プロダクションが米国、欧州、南米で立て続けに公演を開催すると、欧州のメディアは「K-POPスターの攻撃」「K-POP狂風」という表現を使いながら、新しい現象として報じた。
 K-POPをリードする韓国の大手芸能プロダクション、SMエンタテインメント、YGエンターテインメント、JYPエンターテインメント、キューブエンターテインメントの代表と、K-POPスターとして海外で初めて成功を収めたと評価されている歌手のBoAに今年のK-POPの見通しについて聞いた。
▼SMエンタテインメントの金英敏(キム・ヨンミン)代表
 昨年は所属歌手による合同公演「SMタウンライブ」を通じ、米国や欧州でもK-POP発展の可能性を確認できた。
 今年はK-POPがさらに発展すると予想される。ファンション、料理など韓国のさまざまな文化が「Kカルチャー」として世界の関心を集めることになりそうだ。
 SMエンタテインメントの今年のキーワードは「アジア」と「現地化」だ。わが社はこれまで、市場が大規模で地理的にも強みがあるアジア市場の重要性を強調してきた。所属歌手らはアジアでシングルやアルバムの発売、コンサート開催やプロモーションなど集中的な活動を行なう計画だ。
 欧州、米国などでは動画投稿サイト「ユーチューブ」やインターネットの交流サイト「フェイスブック」などを活用して上質のコンテンツを効果的に配信するほか、持続的に公演を企画するなど、海外での活動を拡大する考えだ。
 また、新人プロジェクトを通じ進化した現地化戦略を披露する。韓国では韓国人メンバーが中心となった「EXO-K」、中国では中国人メンバーが中心となった「EXO-M」がデビューする。両グループは韓国と中国で同じ日の同じ時刻に、同じ曲で活動を開始する予定だ。
 今年は世界の音楽ビジネスにおいて公演が重要なイシューになるとみている。今月から東方神起が日本で延べ45万人を動員するツアーを開催する。SUPER JUNIORは先月末からワールドツアー「SUPER SHOW 4」を展開中だ。所属歌手のコンサートの観客動員規模は過去最高を記録すると期待している。
▼YGエンターテインメントの梁鉉錫(ヤン・ヒョンソク)社長
 1990年代、日本は韓国より音楽のレベルが高く、米国市場については想像すること自体難しかったが、日本ではペ・ヨンジュンやBoAら第1世代の韓流スターの活躍に基づく新韓流が韓国のイメージを変えた。インターネットの影響で世界市場でも変化が起きている。
 K-POPの可能性は計り知れない。米国と欧州で韓流ブームが起きていると言い切るには十分ではないが、韓流をせき止めているダムに小さな穴は開いたといえる。少数ではあるが米国で韓流に関心を示しているマニアが現れたのもその証拠だ。短くて1~2年、長くても5年以内に日本のようなK-POPブームが起きてほしいと願っている。
 そのためには音楽、ミュージックビデオ、公演など、質の高いコンテンツを作り出さなければならない。YGエンターテインメントは、ヒップホップを根幹に据えた音楽で世界市場の流れに合わせてきた。競争力があると自負する。
世の中が変わり、時間を経済的に活用できるようになったため、所属歌手らが現地に滞在しながらプロモーションを展開することは行わない考えだが、欧州に小規模の支社を設立し、検証されたビジネスパートナーと協業する計画だ。中国市場には本格的に進出していないが、10年間、研究を重ねてきた。効果的に進出する方法も模索しようと思っている。
 K-POPをマッチに例えるなら、ようやくマッチ棒をマッチ箱にこすりつけた段階だ。韓国の大衆音楽の歴史で、K-POPは今が最も可能性を秘めている時期といえる。
▼JYPエンターテインメントのチョン・ウク代表
 昨年はK-POPが市場を拡大する土台を築いた年だ。今年はその土台をしっかり固める年となるだろう。
 K-POPは10年余りの間、育成システムを通じ人材を育て上げてきたため、そう簡単には崩壊しない。中国と日本が危機感を抱き、システム作りに取り掛かり、市場に参入するまでには数年がかかるだろう。
 誰になるかは分からないが真のワールドスターが誕生すると期待している。日本でトップクラスの韓国歌手が出るとは予想もできなかったが、東方神起を皮切りに数多くのグループが日本に進出した。現在、最もワールドスターに近づいたといえるRAIN(ピ)という歌手もいる。
 JYPエンターテインメントに所属する歌手も今年は韓米日中で活動する計画を立てている。ワンダーガールズは来月から主演テレビ映画「ザ・ワンダーガールズ」が放送されるなど米国で成果を上げると期待している。また、2PMに次いで2AMも日本でデビューし、Miss Aは中華圏で複数のプロジェクトを展開する。
▼キューブエンターテインメントのホン・スンソン代表
 昨年はK-POPが実を結んだ年だった。昨年1年の成果でなく10年以上にわたる準備に注いだ努力の結果が出たという意味だ。
 今年は歌手の海外進出がさらに具体化されるだろう。BEAST、4minute、G.NAの合同公演「ユナイテッド・キューブ」を英ロンドンとブラジルのサンパウロで開催し、可能性を確認した。今年は欧州や南米などでもCDや音源を正式にリリースするなど、市場を具体的に活性化させる年になるとみている。
 わが社の売り上げのうち海外での売り上げは40%以上を占める。大手プロダクションの海外での売り上げも伸びている。K-POPの収益構造は日本などアジアでの収益が大きな割合を占めている。
 アジア市場での選択と集中が必要なときだ。既にデビューした所属歌手らは韓国と日本にとどまらずアジア全体を基盤に活動する計画だ。
 K-POPは5~10年以内に崩壊することはないだろう。市場分析を行うなど各プロダクションの努力もあるが、何よりも歌手の実力が優れているためだ。その実力は海外のファンの心をつかみ、公演を開催することで立証する段階に来ている。BEASTは来月から14カ国・地域の21都市でワールドツアーを開催する。
▼歌手BoA
 昨年はアジア以外の国でも「SMタウンライブ」を開催し、K-POPの人気を実感した。良い音楽、素晴らしいプロデューサー、実力ある歌手らがいるため、今年も韓国の大衆音楽はグローバルな話題になると予想している。
 K-POPに対する関心が高まるにつれ、公演を直接見て楽しみたいという海外のファンからの要望も増えている。今年は歌手の海外での活動や公演が去年よりも増えると期待している。韓国の大衆音楽を広める歌手として、さらに熱心に海外活動に取り組みたい。

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