HYBE LABELS傘下のKOZエンターテインメントが手掛ける大型新人グループ・BOYNEXTDOORが5月30日、デビューシングル「WHO!」をリリースして正式デビューを果たした。本格的な活動に先立ち、メディア向けの発売記念ショーケースを同日昼過ぎに韓国・ブルースクエアマスターカードホールで開催。国内外の記者たちの熱い視線が注がれる中、同シングル収録曲の初パフォーマンスを中心に、MCとのトーク、フォトセッションなどが行われた。
【動画】公開されたBOYNEXTDOOR「Serenade」Official MV
BOYNEXTDOORは、SUNGHO、RIWOO、JAEHYUN、TAESAN、LEEHAN、WOONHAK の男性6人で結成。「となりの少年たち」と称するグループ名には、“同年代の友人たちが共感できる日常の話をありのまま音楽で表現する”という意味が込められている。約4年半もの時間をかけて準備をしてきただけあって、実力は折り紙付き。楽曲制作にはPop TimeやZICOといった韓国を代表するプロデューサーだけでなくメンバー自らも参加、音源発売前に2本のミュージックビデオを先行公開し、デビュー後2週目には大型フェスティバル『Weverse Con Festival』(6 月10 日・11 日)に出演するなど、ニューフェイスとしては異例の展開が続き、早くも話題沸騰中だ。
ステージは定刻通りにスタート。フォトタイムのために登場した6人は少し緊張していたものの、いずれの表情も夢と希望に満ちあふれている。それはパフォーマンスの合間に行われた司会者とのやりとりでも同様だった。「デビューした感想は?」と尋ねられると「全世界のみなさまに僕の声を届けられることになり感慨深いです」(WOONHAK)とにこやかに答え、当面の目標に関しては「生涯一度しかもらえない新人賞を獲得したいです」(SUNGHO)、「人気急上昇動画1位になりたいです」(RIWOO)、「ファンのみなさんが僕たちの写真をスマホの壁紙にしていただければ本当に嬉しいです!」(LEEHAN)と即座に反応するなど、明るく誠実に応える様子は“ポジティブ”という言葉がよく似合う。
特に印象に残ったのはレコーディング時の話題になったときだった。「1つのパートを録音するために6、7つの方法をプロデューサーに提案したら、“君と録音するのが怖い”言われました(笑)」(JAEHYUN)、「6人全員、音楽においては本気なのが常に感じられます」(TAESAN)と回答する姿からはアーティストとしての自信と覚悟がしっかりと伝わってくる。彼らがK-POPシーンの最前線に立つのはそう遠くはない――。多くの関係者がそう確信する場面だったように思う。
ショーケースのハイライトは、シングル「WHO!」に収められた3曲の生のパフォーマンスだ。最初に披露した「But I Like You」は、(G)I-DLE「TOMBOY」やZICO「Any song」といったヒット曲で知られる敏腕プロデューサーのPop Timeを筆頭にメンバー(JAEHYUN、TAESAN、WOONHAK)も曲作りに関わった軽快なダンスポップで、恋したときのときめきを明るく楽しく描いた。なかでも躍動感のある一糸乱れぬ振り付けはインパクトがあり、そこにBOYNEXTDOORの個性を感じとった人も多いのではないだろうか。
続く「One and Only」ではセールスポイントである“見て楽しめる音楽”の魅力が全開に。小道具の「ドア」を使ったパフォーマンスは、同曲のサウンドメイクに関わったZICOの持ち味と重なるところがあり、今後この路線を押し進めていくことがグループの成長につながると予感させる。さらに同曲のMVはデビュー前の公開だったにも関わらず、YouTubeにて1,000万回再生を突破するなど、話題沸騰中。
ラストの「Serenade」はきらびやかな恋愛ソングで、こちらも前述のメンバー3人が楽曲制作に参加。多幸感のあるサウンドに乗せて、好きな人へ告白するときのドキドキ感をストレートに表現したものだ。 同曲のミュージックビデオ(MV)は「WHO!」の発売とともに本日18時に公開された。
「But I Like You」(5月23日公開)で恋に落ち、「One and Only」(同26日公開)で告白を決心し、「Serenade」で意中の人に想いを伝えるという、愛をテーマにしたストーリーがMV三部作によって完成したのもファンにとっては嬉しいプレゼントになっただろう。
最後は質疑応答のコーナーに。記者からの様々な質問に丁寧かつ誠実に答えた後は、「それでは今まで(お送りしたのは)BOYNEXTDOORでした!」と元気な挨拶で締めくくり、1時間を超えるショーケースは無事に終了した。
K-POPはBTSをはじめとする“第3世代”のアーティストたちの活躍によってワールドワイドな支持を集め、ガールズグループが主役となった“第4世代”のおかげで誰もが認める人気ジャンルとして定着した感がある。BOYNEXTDOORは、こうした流れをさらに加速させる存在になるのか、それともまったく別の潮流を生み出すのか。いずれにしても、初のショーケースで今までのアーティストとは違う何かを強烈にアピールした彼らの“これから”に期待せざるを得ない。(取材・文:まつもとたくお)