2018年にTVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』、2019年に劇場アニメ『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』が公開されたアニメ『青春ブタ野郎』シリーズ。その最新作となる劇場アニメ『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』が、全国の映画館で絶賛公開中だ。
先日2023年7月2日(日)には、新宿バルト9でキャスト&スタッフ登壇による舞台挨拶が実施。梓川咲太役の石川界人と梓川花楓役の久保ユリカに加え、原作の鴨志田一先生と増井壮一監督が登壇した。
■アフレコは現実と作品が重なるような形に
最初のトークテーマは「4年ぶりのアニメ『青春ブタ野郎』シリーズ制作が決まった時の心境」。増井監督は『ゆめみる少女』の制作が終わった頃に本作の原作を貰い、そこからしばらくしてまたアニメ『青ブタ』をやるとの打診があり、ふたつ返事でその監督のお仕事をすると決めたことを明かした。
鴨志田先生はかなり前からご存じだったようで、TVシリーズの最終回が近づくタイミングで既に予感はあったのだとか。実際に決まったのは『ゆめみる少女』公開前で、その段階から『ランドセルガール』まで制作すると決まっていたそう。
石川と久保にも心境をうかがうと、石川が本作で必要とされる繊細な表現を当時は頑張りたいと考えていたことや、久保がようやく花楓のことを色々な方に理解してもらえる喜びを抱いていたことがわかった。
続いてアフレコでのエピソードが話題に。すると、増井監督は「パッと終わった感じがします」と一言。声優陣とは挨拶程度のコミュニケーションだけだったそうで、石川や久保もそんなスピード感に驚いていた様子。
鴨志田先生もアフレコ現場を訪れていたそうで、花楓を支える咲太と麻衣を演じる石川と瀬戸が先に収録を済ませ、ひとりで受験に臨む花楓を演じる久保が後からひとりで収録する形が、本作の物語と重なる部分がありグッときたと話していた。
増井監督に「花楓が中心となる物語を描く上で制作にあたり意識したこと」について伺う場面も。現実の時間は4年経っているが、咲太たちの時間は前作から長い時間が経過している訳ではないので、完全に時間の流れが直結しているように描きたかったとのこと。また、ようやく花楓を物語の中心に置きその人物像を描けるということで、とにかく花楓一本で作品を作り上げることを考えていたそうだ。
■花楓という女の子の魅力も知ってほしかった
鴨志田先生からは、花楓というキャラクターがどんな女の子なのか読者のみなさんに知ってもらうことが原作執筆時の目標だったと明かされた。
かえでから花楓に戻る展開となったことで「かえでを返してほしい」と要望する声が多数あったと話す鴨志田先生。続けて、花楓も素敵な女の子だと知ってほしいという想いで執筆に臨んだとコメントした。
すると、久保が鴨志田先生へ謝罪があると神妙な面持ちを見せる。実は久保の元にも「かえでを返してほしい」との声が届いていたそうなのだが、「私が執筆している訳ではないので返せない」との理由から鴨志田先生へメッセージを送るようファンのみなさんにお願いしていたとのこと。
ただ、ファンのみなさんの中でかえでがそれだけ大きな存在になったことを実感したともコメント。だからこそ、本作で花楓も同じくらい色々な方に愛してもらえるのではないかとも語った。
また、この話題の最中に鴨志田先生から石川にも「かえでを返して」と言われたことがあるとの暴露が。これを受けた石川による「パンダを見に行くって言ってたんだよ!かえでは!!」と作中の咲太を思い出させる叫びに、会場は盛り上がりを見せた。
本作における花楓の頑張りがあったからこそ、咲太の中で花楓とかえで両方に整理が付くので見届けてほしいと話す石川。TVシリーズではかえでに兄にしてもらったという話があったが、今回咲太は花楓にも兄にしてもらうのだと語った。
イベント終了の時間が迫ったところで、最後に登壇者のみなさんからファンのみなさんへのメッセージが。
増井監督は「本作は梓川兄妹にフォーカスした作品なので、咲太と花楓の頑張りをぜひ見ていただきたい」とコメント。続いて鴨志田先生は「花楓にフォーカスした作品ではあるけれども、かえでという存在が居たことも思い返してもらえると嬉しい」と語った。
続いて石川が「本作は自分が頑張ってきたことは間違っていないと教えてくれる作品になっているので、元気を貰って帰ってくれたら」と述べた。
そして久保が花楓について「真面目ゆえに考えすぎちゃうし、他人からの見え方を必要以上に感じ取ってしまう部分がある」「けれど、誰かの優しさをしっかり受け止められる女の子なので、そういう部分にも目を向けてもらえたら」と魅力を存分に語ってイベント終了の時間となった。
「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」絶賛上映中!
主題歌:「不可思議のカルテ」花楓&かえでVer.
(C)2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project
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