「J.Y. Park 30th Anniversary Concert 〈Still JYP〉 in JAPAN」

撮影:田中聖太郎写真事務所

人気ガールズグループ NiziUや、JYPが送り出すStray Kids以来約6年ぶりのボーイズグループ NEXZを輩出、社会現象を巻き起こしヒットを量産する世界的音楽プロデューサーであり現役のアーティストでもあるJ.Y. Parkが、2月20日・2月21日に自身のデビュー30周年を記念した来日コンサート「J.Y. Park 30th Anniversary Concert 〈Still JYP〉 in JAPAN」を開催。そして、NiziU(2月20日出演)、NEXZ(2月21日出演)、ソン・シギョン(2月20日/21日両日出演)がそれぞれゲスト出演し、J.Y. Parkのデビュー30周年に華を添えた。

【写真】「J.Y. Park 30th Anniversary Concert 〈Still JYP〉 in JAPAN」の模様 まるで韓国さながら、老若男女の観客が来場し、もはやJ.Y. Parkが日本でもお茶の間の人気者であることを立証した光景のTOKYO DOME CITY HALL。閉ざされた重厚なカーテンがゆっくりと上がり、J.Y. Parkの「PARTY PEOPLE!」の第一声と割れんばかりの歓声で幕開けした本公演。 気になる1曲目は、デビュー曲「Don't leave me」。生バンドの演奏と共に緩急あるダンスとボーカルで観客を魅了すると、続く「Proposal Song」ではまるで映画のワンシーンに迷い込んだかのような世界観の中、軽快なステップで魅せる。全編ハイトーン・ボーカルで踊るディスコチューン「She was pretty」では後半J.Y. Parkのアクションに合わせ銀テープが舞い、序盤から会場が大いに沸いた。 「デビュー30周年のコンサートに来てくださって、本当にありがとうございます」と胸に手を当て、心からの感謝の気持ちを伝えるJ.Y. Park。

そんな彼から「ステージでパフォーマンスをすることが大好きだから、私は高く昇ることよりも、長く続けることを決めました。アーティストとしてトップになったけど、長く続けるために他のアーティストを育てるべきだと思い、1994年JYPを作りました」とJYP創設への想いを熱く語った。自然と観客からJYPコールが沸き起こる。

MCの流れでアーティストに提供したプロデュース楽曲を披露することが告げられ、グロリア・ゲイナーの名曲をリメイクした「I Will Survive」、RAINの代表曲「How to Run From the Sun」、2PMへの提供曲「Again & Again」を畳み掛ける。名曲の数々にオーディエンスも大興奮だった。

次々と成功を収め、初恋の女性と結婚、順風満帆な人生を歩みながら、一方本人曰く「中年の危機」苦悩・葛藤の時期に突入したというJ.Y. Park。 「満たされない虚しさがあって、たくさん彷徨い、その当時の曲は全て “禁断の愛” の曲ばかりでした」と語り「“禁断の愛” 3連発でお聞かせします」とスムースでメロウなR&Bナンバー「I Have a Woman」「Your House」をパフォーマンス。すると1日目は「みなさんが彼女を知ったのは5年前でした。スゴいアーティストになって、こうやって一緒にステージに立ちます」と紹介し「FAREWELL UNDER THE SUN」をピアノ演奏と共に歌唱していると、そこにNiziU・MAKOが登場、会場のボルテージが一気に上がる。J.Y. ParkとNiziU・MAKOのデュエットに、会場の誰もが酔いしれた。

一方2日目はNEXZ・TOMOYAが登場し、RAINとJ.Y. Parkのデュエット曲「Switch to me」を披露。会場から悲鳴にも似た大歓声が沸き起こる中、「Nizi Project Season 2」の日本合宿で披露した時とは比べ物にならない圧倒的オーラと輝きを放ち、オーディエンスを釘付けにした。 グランドピアノと共に小ステージが宙吊りになり、今度はバラードパートへ。ドラマ『フィーリング』の挿入歌として話題をさらった「Behind you」、2AMのデビュー曲として書き下ろした「この歌」、自身の俳優デビュー作となるドラマ『ドリームハイ』劇中歌「忘れられない君」を歌唱。彼のメッセージに包まれて、どんどんJ.Y. Parkワールドへと引き込まれていく。バラードパートの最後は、手掛けたバラードの中のNo.1ヒットソングだと言う「Lies」で、コーラスと絡み合いながら絶妙なハーモニーを奏でた。別れを告げながらも、心の声「行かないで」という想いを乗せたコーラスが実に沁みる名曲である。 女性アーティストに提供した楽曲ラインナップのパートでは、Wonder Girlsのヒット曲「Tell Me」「So Hot」「Nobody」3連発を女性の所作もしっかり表現した形で、艶やか且つセクシーに踊り、歌い上げた。 続いて韓国のトロットを感じさせる「When We Disco」へ。

1日目は歌い出しからまさかのNiziU・RIMAが登場、“魅惑のボイス” と華のあるダンスでJ.Y. Parkとの共演を見事に果たした。RIMAとのトークを挟みながら、J.Y. Parkがおもむろにピアノを爪弾き始め、口ずさむのはJ.Y. Park作詞・作曲、NiziUの代表曲「Make you happy」だ。そこで、残り8名のメンバーも「Make you happy」を歌いながら登場し、満を持してNiziUがオンステージ。育ての親であるJ.Y. ParkとNiziUが同じステージへ立つ感動の瞬間が訪れた。

ここで披露されたのが、NiziUの新曲「YOAKE」。少女から大人へと成長する彼女たちを表現した新曲を、J.Y. Parkがピアノの演奏でサポートする。しかも生バンドと共に届ける、リッチで特別なパフォーマンスとなった。NiziUはこの後「Take a picture」「Make you happy」を披露し、ステージを後にした。 2日目はここでNEXZが登場。J.Y. Parkのピアノをメインにしたアコースティックver.で、趣新たな「Miracle」を披露。ジャングルビートと激しいダンスをあえて封印しつつも全く見劣りしないのは、NEXZの成長と楽曲のクオリティの賜物だろう。NEXZはこの後TOMOYA・HARU・HYUIが作詞を手掛けた「Next Zeneration」、新作のタイトル曲「NALLINA」を披露し、大喝采を浴びた。NEXZのパフォーマンスを観てJ.Y. Parkも「デビュー30周年とコンサートを輝かせてくれてありがとうございます。一緒に共演出来て感無量。みなさんも30周年を迎えられます」と太鼓判を押した。

そして、一度ステージを去った後、J.Y. Parkデビュー30周年を祝うべくNEXZがケーキを持ってサプライズで再登場。J.Y. Parkと会場を大いに喜ばせた。 J.Y. Parkが「感無量、感無量、感無量です。本当に誇らしく思っています」と、NiziU・NEXZとの共演への想いを語り、次に披露したのがTWICEの代表曲「Feel Special」。アコースティックでムーディーなアレンジにJ.Y. Parkのエモーショナルなボーカルが乗り、楽曲の魅力がより一層引き立つ。そんな中、今度は “バラードの皇帝” と称される韓国を代表するシンガー・ソングライターのソン・シギョンが「Feel Special」を歌いながら登場。

「生きたレジェンドとこのようにご一緒出来て光栄です」と感謝を伝えつつ、「ゲストの役目は主人公を休ませること。時間稼ぎです」「適当に歌って消えます」と軽快なトークで会場を盛り上げる。伸びやかで深みのある歌声で代表曲「君のすべての瞬間」を歌唱し、「これこそ日本のバラード。いつも歌っていて涙が出そうになる」と自身のエピソードと共に一青窈「ハナミズキ」をカバー。オーディエンスに強烈なインパクトを残した。 J.Y. Parkが再登場し、今度は自身の新曲「Easy Lover」を披露。ここで「たくさんの男性を泣かせてきた女性に恋をしてしまうストーリーなのですが、たくさんの男性を泣かせてきたという方はいらっしゃいますか?」と突如問いかけ、挙手した観客の1人を名台詞「来てください」と共にまさかのステージへ引き上げる。楽曲の世界観に沿った様々なサプライズ演出が繰り出され、エンタテインメント・ショーさながらなステージとなった。 「みなさん、立ってください!」のJ.Y. Parkの呼び掛けに、「待ってました!」とばかりに喜び勇んで立ち上がるオーディエンス。アップテンポのダンスナンバー「You're The One」、「Nizi Project」でお馴染みとなった「FEVER」、「Swing Baby」を立て続けにパフォーマンスし会場のテンションは最高潮に。更に、「7歳の時に初めて購入したLP」というマイケル・ジャクソン「Rock with you」とスティービー・ワンダー「Part time lover」をカバー。コール&レスポンスで会場が一体感に包まれる。

その後も「Groove Back」「Honey」「Who's your mama?」のファンキー且つ圧巻のグルーヴで王者の貫禄を見せつける。リスナーの身体がついつい勝手に動いてしまうのが、J.Y. Parkサウンドの真骨頂だ。

2日目には「Honey」でNEXZゲスト出演という特別演出も飛び出し、会場が大きなダンスフロアと化した。

「60歳・還暦で必ず最高のパフォーマンスをお見せします。それまでまだ後6年ありますが、また来年も来てくれますか?」とのJ.Y. Parkの問い掛けに観客が全力で応えると、再度アレンジ違いのデビュー曲「Don't leave me」を披露。紙吹雪が舞う中、オーディエンス全員がジャンプし会場が揺れた。

「真実・誠実・謙虚を実践しながら、これからも生きていきます」と決意表明し、本編を締め括った。ただ、これで終わらないのがJ.Y. Park。

アンコールでは近藤真彦「ギンギラギンにさりげなく」、桑田佳祐「悲しい気持ち」、チェッカーズ「ジュリアに傷心」と怒涛のJ-POPカバーで魅せる。

まさかの客席降りでのファンサービスもあり、会場は大熱狂。最後は、J.Y. Parkが敬愛するサザンオールスターズ「いとしのエリー」でデビュー30周年を記念した最高のエンタテインメント・ショーが大盛況の中、幕を閉じた。 「真実・誠実・謙虚」の信念を胸に歩み続けるJ.Y. Park。そして、その意志を継ぐ者たちとして、NiziU・NEXZが現在精力的にアーティスト活動を繰り広げている。NiziUは、リリースしたばかりのMini Album『AWAKE』でオリコン・Billboard JAPAN共にウィークリー1位を獲得。NEXZも、3月8日(土)「ユニ春!ライブ 2025」、3月30日(日)「マイナビ presents The Performance」と立て続けにイベント出演を控え、2025年も破竹の勢いで突き進んでいる。