少女が逆境の中成長していく主体的な女性のストーリーは、宮女から御医へと成長した「チャングムの違い」の感動的なストーリーを記憶する人たちには、歓迎されるドラマでした。「チャングムの誓い」を手掛けた「史劇の巨匠」と呼ばれるイ・ビョンフンPDが演出するというのも信頼感を増しました。
しかし「チャングムの誓い」の枠組みを抜け出せなかったことが、「獄中花」の限界でした。「危機と克服、そして成長」を繰り返す構図は、12年前「チャングムの誓い」で視聴者の心を掴みましたが、12年経った今の視聴者には共感を得られませんでした。
一部の役者たちの演技にも視聴者にとってはひっかかる部分があったようです。
最高視聴率22.6%は善戦したと言えますが、同時間帯の「契約結婚」の最高視聴率が22.9%だったことと比較すると、「獄中花」の成績が成功だったと評価するのは難しいです。
一方で「獄中花」の不振は、韓国での史劇のトレンドの変化を感じさせます。最近大きな話題となったKBS2TV「雲が描いた月明り」は、皇太子と男性内官のラブストーリーという驚きの設定だったにも関わらず、漫画を見ているような展開が視聴者に好評でした。これは12年前「チャングムの誓い」が熱風を巻き起こした時とは、史劇を見る視聴者の好みが大きく変わったと解釈できるようです。