ファッションメディア「ELLE(エル)」にて、2022年12月20日(火)に「エル シネマアワード2022」の受賞者を決定した。本アワードは2015年より始まり、「ELLE」がその年に公開された映画作品を独自の視点で選定する映画賞だ。本アワードでは、日本の映画界で輝く女優に贈る「エル ベストアクトレス賞」、優れた監督に贈る「エル ベストディレクター賞」、今後の活躍が期待される女優に贈る「エル・ガール ライジングアクトレス賞」、今年目覚ましい活躍をした男性に贈る「エル メン賞」の4部門を設けている。

今年最も輝いた女優に贈られる「エル べストアクトレス賞」は、映画・ドラマ・舞台と年々演技の幅を広げ、挑戦をし続ける女優・広瀬すずが受賞。受賞作『流浪の月』では、過去の傷を背負い生きてきた女性を熱演した。本受賞にあたって「賞という形で作品を通していろいろな方に届いたことはすごく嬉しくありがたいなと思います」と喜びを語った。

また、今年最も輝いた男性に贈られる「エルメン賞」には、窪田正孝が受賞。受賞作『ある男』は「第79回ベネチア国際映画祭」オリゾンティ・コンペティション部門出品、「第27回釜山映画祭」のクロージング作品に選出され、海外でも高い評価を得ている。その中で「別人に成り代わって生きた“ある男”」という繊細な役柄を見事に演じた窪田。本受賞にあたって「芝居にどっぷりと浸かることができた『ある男』という作品で評価していただいたことはとても光栄です」とコメントした。

最も優れた監督に贈られる「エル ベストディレクター賞」では、新進気鋭の映画監督・早川千絵が受賞した。早川が監督を務めた日本・フランス・フィリピン・カタール合作映画の『PLAN 75』は第75回カンヌ国際映画祭ある視点部門に選出され、新人監督に送られるカメラドールスペシャルメンションを受賞。さらに第95回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門においては日本代表として選出されるなど、自身の長編作品初にして、世界を震撼させている。本受賞にあたって「今年の1月にはまだこの作品を撮影していて、その後カンヌ映画祭があり、劇場公開があり……という怒涛の一年の最後にこうやって賞をいただけることが夢のようで不思議な気持ちです」とコメントした。

また今後活躍が期待される若手に贈る「エル・ガール ライジングアクトレス賞」に、21歳にして表現者として頭角を現し、日本映画界での常に存在感を提示し続ける女優・河合優実が受賞。同受賞者の早川が監督を務める『PLAN 75』に出演し、窪田と同じく『ある男』や、『ちょっと思い出しただけ』『百花』『線は、僕を描く』等、今年だけでなんと8本の映画に出演。河合は「とにかく新しい挑戦が個人的に多い一年でした。この数年間でたくさんの映画に出演でき、映画に育ててもらったという感覚があります」とコメントを寄せている。

今年のエルシネマの授賞式では、広瀬すずが「アディアム」のドレスに「ヴァン クリーフ&アーペル」のハイジュエリー、窪田正孝は、「ルイ・ヴィトン」のスーツとジュエリー、早川監督に「プラダ」、河合優実が「シャネル」を着用するなど、華やかな姿での登場となった。