必要な人に適切な医療が提供されることを目的に、厚生労働省が進める「上手な医療のかかり方」プロジェクトで大使を務める、アーティストでコメンテーターのデーモン閣下が12月19日、福岡県庁を訪ね、服部誠太郎・福岡県知事と対談した。

デーモン閣下が「我が輩はかかりつけ医を普及するために福岡に来た」として、普及活動の現状を尋ねると、服部知事は県公式ツイッターや広報番組でPRをしていくことを明らかに、「閣下が10万60歳だと聞いた。私たちは、福岡県民の健康寿命を10万100歳まで伸ばせるよう、かかりつけ医の制度を普及させたい」とジョークを交えて返答した。

対談冒頭でデーモン閣下はプロジェクトの中身を説明し、「自分の身体のことを知っている『かかりつけ医』を決めておくと安心。一人でも多くの人がかかりつけ医を持つことが重要だ」と話した。

服部知事は新型コロナとの闘いが続く現状を踏まえ、「私自身、コロナ禍を通じて必要なときに必要な医療を受けられる大切さを痛感した」としたうえで、「誰もが上手に医療にかかることができるように、一人ひとりが医療現場の負荷を理解して、行動を変えていく必要がある」と話した。さらに知事は「私の母は93歳で亡くなったが、かかりつけ医が初期の異変を察知してくれた」というエピソードを披露し、「医療機関案内サイト『ふくおか医療情報ネット』を活用してかかりつけ医を探してほしい」と県民に呼びかけた。

デーモン閣下は、上手な医療のかかり方のWEBサイトでクイズ形式の動画をアップしていることに触れ、「中高生に医療のことを知ってもらうために、今後人気動画クリエイターと一緒に動画の制作も予定している。ぜひ見てほしい」と呼びかけた。

医療現場の負担を少しでも軽くしようという試みはコロナ禍以前から始まっている。子どもの具合が悪くなった際、「すぐに病院に行った方がいいか」や「救急車を呼ぶべきか」と判断に悩むケースがあるため、厚生労働省は、全国どこからでも利用できる電話サービス「こども医療でんわ相談(#8000)」を設置、全都道府県で導入されている。

服部知事は、体調に異変を感じた大人向けの「救急医療電話相談(#7119)」が福岡県全域で使えるようになっていることを紹介し、「九州では唯一。多くの県民に利用してもらっています」と述べると、デーモン閣下は「すばらしい。福岡は先進的だ!」と答えた。

上手な医療のかかり方大使として 初の“地方行脚”をしたデーモン閣下は「大使として知事に会えたのは服部知事が初めて。福岡はかかりつけ医の普及に熱心なんだと思う。わが輩は福岡にはしょっちゅう来ているが、食べ物がおいしいので、ここもうまい、あそこもうまいとなって、かかりつけ医ではなく『かかりつけ飲食店』が増える」と話した。服部知事は「いろいろな食材が豊富な福岡では食生活で健康にもなれます」と返した。

集まった記者から「悪魔なのに、なぜ大使をしているのか」と問われ、デーモン閣下は「日本の医療現場の実情を知り勉強になる。悪魔は人間を不幸にするために存在しているが、人間がある程度健康でないとやる気が出ない。健康になった人間を不幸にするのが悪魔だ」と場内を沸かせた。

〈厚生労働省「上手な医療のかかり方プロジェクト」とは〉
患者・国民の皆様が受診の必要性や医療機関の選択等を適切に理解して医療にかかることができれば、皆様にとって、必要なときに適切な医療機関にかかることができ、また、医師の長時間労働を是正することで、患者にとっての安心・安全な治療につながるという観点から、令和元年より実施しているプロジェクトです。
このプロジェクトにより、将来にわたって安心して医療にかかれる社会をみんなで作っていくことを目指しています。

▼上手な医療のかかり方.jp
https://kakarikata.mhlw.go.jp/index.html