Jリーグが、1月25日「Jリーグ 30周年オープニングイベント」を明治安田生命ビル「MY PLAZA HALL」にて開催した。Jリーグは、1993年5月15日に国立競技場で開催された「ヴェルディ川崎 vs.横浜マリノス」から数え、今年リーグ開幕30周年を迎える。2023シーズンは、「Jリーグ30周年プロジェクト」としてファン・サポーター、ステークホルダーに理念や将来のビジョンを共有し、30年間の価値や存在感を示しながらも、未来に向けてこれまで以上に持続可能なJリーグの発展・成長へつなげていくための、さまざまな取り組みをおこなう。30周年の取り組みを発表するオープニングとして開催された本イベントでは、ゲストとしてサッカー解説者の松木安太郎、Jリーグ選手OB中村憲剛、槙野智章、内田篤人が登壇。さらに女優の観月ありさがスペシャルゲストとして登壇し、「Jリーグの未来を考えるトークセッション」や、将来、Jリーグの選手やファン・サポーターとなっていく可能性のある子どもたちから事前に募集した「Jリーグへの意見・質問」にチェアマンやゲストらが回答する質疑応答コーナーを実施した。

イベントは、Jリーグの野々村芳和チェアマンのプレゼンテーションからスタート。野々村チェアマンは「クラブを支えていただいている皆さんのおかげで、30周年を迎えることが出来ました。Jリーグが目指してきたことに少しずつ近づいてきていると思うので、次の世代にとってより魅力的なJリーグをつくっていきたいです」とこれまでの 30年間を振り返り、感謝と今後の決意を述べました。プレゼンテーションの最後には、Jリーグ 30周年のコンセプトワードを表現するコンセプトムービーが会場に映し出され、“よっしゃ いこ!”の Jリーグ 30周年コンセプトワードが発表となった。

記念すべき Jリーグ開幕30周年の節目を盛り上げるため、トークセッションには、サッカー解説者の松木安太郎さん、Jリーグの選手OBの中村憲剛、槙野智章、内田篤人という豪華なメンバーに加え、女優の観月ありさが出演。

華やかな白のシャツワンピースを着て登場した観月は、MCから当イベントへの出演について話を振られ、急遽体調不良のため欠席となってしまった事務所の後輩である朝日奈央の名前を出しながら「同じ事務所の後輩のためになるなら、 “よっしゃ いこ!”と思って来ました。楽しみながら頑張りたいです」と、Jリーグ 30周年コンセプトワードを絡めた意気込みを語った。さらに Jリーグとの関係について、「勝手に縁を感じています」と語った観月は、Jリーグの開幕日が1993年5月15日であることと、自身のデビュー日が 1991年の5月15日である点に触れ、自身を「(Jリーグの)2個(歳)パイセン」と称し、会場を沸かせました。

「Jリーグの未来を考えるトークセッション」冒頭では、Jリーグ特任理事でもある中村と内田から、現在の Jリーグの魅力を観月にフリップを使って語った。中村が答えたキーワードは “地域密着”。「ほぼ全国を網羅する60のクラブはサッカーを通じて地域をもっと盛り上げられる可能性を秘めている」と自身も現役時代から積極的に参加してきた地域への貢献活動について熱弁。一方で内田はキーワードに“安心安全”を挙げ、「ドイツだと、盛り上がりすぎてしまうこともあるので(試合後に)サポーターと選手を会わせないようにしているところもあるなか、日本は(海外に比べると治安がいいため)、試合が盛り上がっても、安全に家まで帰れるのは魅力のひとつ」と、海外リーグでプレーしていた経験も踏まえながらJリーグの魅力をアピールした。

その後話題は、野々村チェアマンがイベント冒頭で発表した リーグの未来に向けた成長戦略について。60クラブがそれぞれの地域で輝くために、キー局のみならず各地域でのメディア露出を重視していきたいという戦略について、世の中に広く知ってもらうためのアドバイスを求められた観月は「地域に密着することも大事だと思いますし、SNSを通じて何かにチャレンジしたり、動画を活用したりすることでより多くの方に見ていただけると思います」と、長年歌手やモデル、女優など様々な形で活躍された自身の経験を踏まえ、アドバイスを送った。松木からは、「ゲーム(試合)の映像をもっと見てもらうことがとにかく大事。僕の頃は、(現役を引退した)元選手がテレビに出ることに対して批判を受けることもあったので、いい進歩だなと思っています」と当時を振り返りながら、現在の選手やOBのメディアでの活躍を頼もしく感じているようだ。

トークセッションの最後に、Jリーグの30周年コンセプトワードにかけて、今後“よっしゃ いこ!”と取り組んでいきたいことを聞かれた観月は「サッカーの比ではないですが、舞台や歌もとても体力を使う仕事なので、一生懸命トレーニングに励んで体力維持をしたいです。あと、ここ最近旅行になかなか行けなかったので、海外や、国内でもいいので旅行に行って、その土地ごとの Jリーグ(の試合)も観たりしたいなと思います。これからも応援していきます!」と話すと、「一番いいエピソード!」「完璧なコメント!」と登壇者の皆が観月のコメントを絶賛。また、槙野は、「昨シーズンに現役を引退したばかりで選手の気持ちもわかるので、サッカーを知らない人たちにサッカーの素晴らしさを伝える仕事をしていきたいです」とセカンドキャリアへの意気込みを語った。

イベント終盤、ビデオメッセージによる子ども達からの質問コーナーでは、「サッカーが上手くいかない時どうしていたか」という質問に、内田は「あえてサッカーから離れます。自分のプレーは見ない。そしてしばらくして原点に戻る。楽しむとか、基本に忠実になるとか。自分のスタイルを見つけることも一つだと思います」とアドバイスを送った。また、「どうしたらエムバペ選手やメッシ選手が、川崎フロンターレに来てくれますか?」という子どもならではの率直な質問には、野々村チェアマンが「エムバペ選手のような才能を日本で育てていきたい。質問を送ってくれた子に将来そうなってほしいです」と回答し、将来、Jリーグの選手やファン・サポーターとなっていく可能性のある子どもたちへの期待を膨らませ、イベントを締めくくった。