年末に韓国語講座のイベントを行ったと先日メールマガジンに書きました。
ご報告したスピーチ大会、そして今回初めての「翻訳大会」を実施しました。
当校の受講生、出身生ならだれでもエントリーできます。

映像字幕翻訳、日韓翻訳、韓日翻訳の3部門!初めてにしては
欲張りすぎましたが、たくさんの方に機会を与えたかったのです。

本日は日韓翻訳部門について少しお話いたしましょう。
白水社さんに協賛していただき、温又柔さんの『台湾生まれ 日本語育ち』
の冒頭文から抜粋しました。温さんのご了承もいただきました。

台湾で幼い頃を過ごした温さんの断片的な思い出。かすかで、でも確かで、
異国情緒を感じさせるところが印象的な部分を選びました。
そして、その題名も翻訳するよう指示をしました。

審査は韓国人講師が行い、当日全体的な講評を行いましたが、
題名の翻訳について、以下のような講評がありました。

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「育ち」のところを、자랐다(チャラッタ/育った)もしくは자람(チャラm/育ち、育つ(こと))とされた方が
多く見受けられたが、자라다(チャラダ/育つ)と、原型にするのが一般的。
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読者の方の中で「はいはい、知ってますよ」と思えた方はどれくらい
いらっしゃるでしょう。実は私は、「へぇ、そうなんだ!」と思ったのです。
このようなことも知るきっかけになりました。

最優秀賞に輝いたのはNさん!応募された皆さんが付けた題名は様々でしたが、
Nさんの付けられた題名の最後を자라다(チャラダ)にすると、

대만에서 태어나 일본어로 자라다
(テマネソ テオナ イrボノロ チャラダ)

です。原文のニュアンスが活かされていて、語感も美しい。そして、「日本育ち」
でなく 「日本語育ち」というひねりもそのまま表現されていて良いですね。

エントリーをされた多くの受講生が「続きが読みたくなって購入した」と
おっしゃっていて、韓国語を学ぶ方々に、台湾で生まれて日本で育った
温さんの大切な思いが綴られたものをお届けすることができ、
橋渡しの喜びがありました。

ちなみに、この書籍は台湾でも出版されていて、当校中国語講師の
黄耀進先生が翻訳をされています。

また、他部門のご紹介もしたいと思います。お楽しみに。


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