留学から帰ってきて、「韓国語ができる」という意外なにも特技がない私を採用
してくれたのはとある海運会社でした。韓国の船会社がオーナーで、ある業務の
一切を引き受けていました。

 希望と緊張が入り乱れた私にパンチを食らわせたのは、国際貿易のシステムを
理解するまでの大変さと、日韓の貿易用語の違いや言い回しなどでした。
それに加え、私が韓国で勉強していたのは、いわゆる留学生が使う日常会話 ・・・。
ビジネスに相応しい韓国語も使えず。

いや~今思うと採用してくれた会社には頭が上がりません。

  ビジネスに相応しい言葉を使えていなかったことに気付いた(というより指摘さ
れた)のはずっと後だったのですが(^_^;)、貿易の流れが分かるまで、そして日韓の
用語の違い(または発音)に慣れるまで相当の時間を要しました。最初の頃は
分からないことだらけなのが辛くて、よく朝の電車の中でため息をついていました
っけ・・・。

 さてさて、日韓の貿易用語について挙げたら切がありませんが、最初のころ
よく韓国人スタッフ同士の話を聞いていて気になったのが、「シロッタ」「シロッソ(ヨ)」
という韓国語でした。

 私はてっきり、
「싫었다(シロッタ/嫌いだった)」「싫었어(요)(シロッソ(ヨ)/嫌いだった・嫌いでした」
かと思い、聞くたびに何が不満なんだ、何かトラブルでもあったのか、とハラハラ
していたのです。

 例:그 날 확실히 싫었다니까. (?)
 (ク ナル ファクシリ シロッタニカ/その日、確かに嫌いだったってば?!)

 なんかおかしい。勇気を出して聞いてみると・・・なるほど。

「싣다(シッタ/積んだ)」だったのですね。

例:그 날 확실히 실었다니까.
 (ク ナル ファクシリ シロッタニカ/その日、確かに積んだってば)

「ㄷ(ティグッ)変格活用」で、ㄷがㄹに変わっていたからピンと来なかったんですね。

 あとは・・・そうですね。よく出てくる貿易用語のなかに、「フォワーダー
(FORWARDER)」というものがありますが、これは韓国語で「포딩(ポディン/
フォワーディング・FORWARDING」を使い、「포딩업체(ポディンオプチェ)」
「포딩회사(ポディンフェサ)」といいます。

 厳密に言うと、日韓の貿易業界の商習慣もまた違い、日本のフォワーダーで
することを韓国の「포딩업체(ポディンオプチェ)」では行わなかったり、逆の場合もあ
ったり、それはもう、お互いの事情を理解するのが大変でした。

 どの業界であれ日韓ビジネスの現場にいる方は、是非その道を極めていろんな
分野に詳しくなって欲しいと思います。



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