つい先日まで、docomoの通訳電話サービスのモニターをしていました。
docomoのスマートフォン(Xperia)に向かって何かを話すと、それを
韓国語や英語、中国語に通訳して通話相手に届けてくれたり(遠隔利用)、
目の前の相手に通訳した音声を聞かせてくれたりする(対面利用)機能です。
もちろん、韓国語(中国語、英語)から日本語に訳すこともできます。

英語はアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語に分かれており、
中国語は今のところ北京語と台湾語があります。すごいですね。

まだ一般化されておらず、現在docomoさんが叡智を集結させ開発している
技術で、私はその開発段階における手伝いをした、ということになります。

今回、利用させて頂いて韓国語の大きな特徴を思い知らされ、それを機械が
認識することの難しさを実感したことがありましたので、ご紹介いたします。

「언니도 같이 가요 」(オンニド カッチ ガヨ)

という文章があったとします。ある程度韓国語を学習された方は、この文章が
その状況や語尾のニュアンスによって様々な意味になることがお分かりでしょう。

普通に、
「언니도 같이 가요 」
(お姉さんも一緒に行きます)→平叙文

お姉さんと一緒に行きたいとき、語尾にその気持ちを込めて
「언니도 같이 가요 」
(お姉さんも一緒に行きましょうよ)→勧誘文

お姉さんに(例えば)お父さんと行って欲しいとき、語尾にその気持ちを込めて
「언니도 같이 가요 」
(お姉さんも(お父さんと)一緒に行ってくださいよ)→命令文

語尾を上げ、最後に「?」が着くと、
「언니도 같이 가요 ?」
(お姉さんも一緒に行きますか?)→疑問文

残念ながら、今の段階では機械はここまで聞き分けてくれないのです。
docomoさんによると、音の高低を判断する機能は付いていて、平叙文と
疑問文くらいは認識してくれるとのことでしたが、残念ながらその場での
実験では認識してもらえませんでした。

「状況で判断する」「前の会話から判断する」「前後の文脈で判断する」
ことのできる人の通訳というのは、すごいんだなぁ、と改めて実感すると
ともに、それでもこれだけの資本を投入して技術を開発できる大企業の
社会的貢献というのも有り難いものだな、と思いました。

サービスが一般向けに開始される日を、少しだけ関わった人間として
楽しみにしています。


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