先日出版した『シゴトの韓国語 基礎編
』の続編である、
応用編の原稿を書いています。
基礎編の前書きで「『シゴトの韓国語 応用編』(2012年秋刊行予定)と
合わせ、ご利用ください」と書き、自分を追い立てています!

さて、韓国語を使って仕事をする中上級者の方は、社内で通訳・翻訳を
任されることがあるでしょう。そこで、応用編では「ちょっとお願い」と
言われたときに慌てないよう、通訳・翻訳の種類、基礎知識、
練習の仕方などを扱います。

「通訳の心構え」としての一項目の中に「‘黒子’であることを忘れない」
と書きました。例えば言葉遣いの面について言うと、通訳をする人の中に、

「언제 일본에 오실거라고 물으셨어요 」
(オンジェ イルボネ オシルコラゴ ムルショッソヨ
/いつ日本にいらっしゃるのかと尋ねています)

「이번에는 어렵다고 합니다 」
(イボネヌン オリョプタゴ ハムニダ/今回は難しいそうです)」

というように、「誰それが、何だと言っていますよ」と伝聞形式で
通訳する人がいますが、これはNG。

「언제 일본에 오십니까 ?」
(オンジェ イルボネ オシムニカ/いつ日本にいらっしゃいますか)

「이번에는 어렵습니다 」
(イボネヌン オリョプスムニダ/今回は難しいです)」

このように、話者の言葉をそのまま話さなければいけません。

また、プロジェクトの一員として通訳をする場合は意見を求められたり
することもあるでしょうが、基本的に会議の内容に口出しをする、
というのもご法度ですね。

というふうに、語学を勉強する人にとっては憧れの通訳者は花形の
イメージがありますが、実は黒子に徹しないといけないという面があるのです。

さてそこで~、この「黒子(くろこ)」、韓国語でなんと言いましょうか。
「まさか、흑자(フッチャ/黒字(くろじ))じゃないですよね」と先生に
聞いてみたところ、やはり「×」。先生によると「これはどうですか?」とのこと。

통역을 할 때는 그림자 가 돼야 합니다 .
(トンヨグル ハルテヌン クリムジャガ テヤハムニダ
/通訳をするときは影にならないといけません)


なるほど、「그림자 (クリムジャ/影)」を使うといいですね!

今回辞書を調べてみて知ったのですが、もともとは「くろご」と読んだ
らしいです。歌舞伎から来ているようで、「黒衣」とも書いたとのこと。
「くろごろも?」→「くろご」となったのかしら、と想像したりもしました。



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