先日、NHK国際放送局
主催の、「KBSアナウンサーが 伝授するスピーチのコツ」
というセミナーを聞いて参りました。講師はキム・ウンソン氏
という
韓国のKBS放送局の男性アナウンサーです。

氏は「スピーチで博士号」を取得されている逸材。「スピーチ」で「博士号」という
あたり、さすが、プレゼンテーションが上手な人が多い韓国!という感じがします。

今回、NHKの韓国語アナウンサーの皆さんの研修のために一週間来日され、
合間にこのように一般向けのセミナーを開催してくださいました。

人の心を掴むテクニック論が中心かと思いきや(もちろんそういった内容も
ありましたが)、氏が強調していたのは、いかに聴衆との接点を作るか
が重要、ということでした。しきりに、こんなふうにおっしゃっていました。

「말하는 사람이 듣는 사람과의 공감대를 어떻게 만드느냐가
제일 중요힙니다.」
(マラヌンサラミ トゥンヌンサラムグァエ コンガムデルr オットッケ 
マンドゥヌニャガ チェイル チュンヨハムニダ/
話者が聴衆との共感帯をどうやって形成するかが最も重要です)

この「공감대」という単語を繰り返し使われていました。

「共感帯」もしくは「共感の帯(おび)」がどんな意味かはその漢字と文脈を
見ればお分かりかと思いますが、要するに、聴衆が何を聴きたいのか、
どんなことを言えば心に響くのかを十分理解することと、話者と聴衆とが
共感し合わないといけない、というふうに私は解釈しました。
ほんとうに、その通りですよね。

どんな完璧なプレゼンテーション、または話者の「言いたいこと」が
100%込められた内容であっても、聴いている人の心に響かなければ、
無用の言葉、時間の無駄になってしまいます。

氏は、インタビュー番組の時にはインタビューの相手となるべく心を通じ
合わせることができるよう早めにスタジオ入りし、前もって話す時間を
確保したりしているのだとか。

年明けに地元で中学校の20年ぶりの同窓会が開かれることになり、
司会を務めることになりました。「上手く話そう」などではなく、
なるべく参加者との「共感帯」を作り、皆さんに楽しんでいただける会に
なるよう頑張ろうと思っています。



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