先日、当校の一大イベント、第7回スピーチ大会が開催されました。
大会の様子を徐々に担当係ブログ
にアップしておりますが、今年も多くの
協賛社企業様にご協力いただき、そして受講生の皆さんの頑張りで、
大変充実した会になりました。

今年は全体的に発音・イントネーションの向上が見られたことが嬉しかったです。
大会は緊張や練習不足などで、どうしても「聞き取れない」部分が出てきがち
ですが、今回はそういった場面が本当に少なく、感心しきりでした。先生方の
徹底した指導、そして「改善したい!」という個々の思いの表れだと思います。

今回初の試みとして、通訳クラスの皆さんがスピーチの同時通訳にチャレンジし、
また、11月に浦項市視察研修旅行に参加したメンバー有志5名が、浦項市紹介
リレーを行いました。私はツアーに参加していたので、他の方の目線で
浦項市をもう一度知ることができました。

中上級者部門で優勝され、最も豪華な賞品を受け取った方は、「한국인이 된 날
(韓国人になった日)」という題材で発表された在日韓国人の受講生の方です。

日本名で、そして日本人が通う学校に通っていた小学二年生のとある日、
授業の前に突然、お母さんが教室に入って来たそうです。先生に「前に来なさい」
と呼ばれ、何か怒られるのではとドキドキしながら前に立ったところ、
「今日から(ここからは仮名です)サトウタケシくんは、박현근 (パクヒョングン)
くんになります」と宣言(宣告?)されたのだとか。

そのときの動揺、驚きたるや、相当のものだったと思いますし、そしてそんな
突飛な行動に出たお母さんの心境として何があったのかがとても気になります。
これだけでも、短編小説、短編ドラマになりそうです。
しかし、このエピソードを紹介した後、こんなふうにさらりと言うのです。

「그 때부터 박현근으로서 일본에서 생활하면서 좋은 일도 있고
조금 슬픈 일도 있고, 그리고 자신의 처지가 자랑스러울 때도 있고
많이 고민할 때도 있었네요 .」
(その時から、’パク・ヒョングン’として日本で生活し、良いこともあり、
少し悲しいこともあり、そして、自分の境遇が誇らしいときもあり、
すごく悩ましい時もありましたね)

きっと今までいろんなことがあったんだろうな……、と会場すべての人が
思いを馳せたことでしょう。そして、いまではお子さんが学校で「韓国人だよ」
と言うと、「かっこいい」と言われるのだというエピソードも披露してくれながら、
「世の中はこんなにも変わるものなんですね」と。

日韓の歴史、そして、そこで生きてきた人々の葛藤を、強い言葉でなく、
間接的に伝え、そして聴衆の想像をかき立てる素晴らしいスピーチでした。

韓国語を学ぶと、知らなかったことを知り、いろんな気付きや発見があり、
ほんとうにやめられないですね。ここでは紹介しきれない約30名の方々の
スピーチについては、今後ブログ
でご紹介させていただきます。是非ご覧下さい!


※韓国語を配信・提供したい個人様または法人様は「お問い合わせ」ください。