第500号、501号で、私が韓国で聞いた違和感のある接客表現について取り上げ
ました。今回はその続編をお届けします。

韓国で違和感を覚えた接客表現で、他に以下のようなものがありました。

・이 로션은 이렇게 바르시는 거세요 .
(イ ロショヌン イロッケ パルシヌン ゴセヨ
/このローションはこうやってお塗りになるものでいらっしゃいます)

・손님, 그건 세게 미시는 거세요.
(ソンニム クゴン セゲ ミシヌン ゴセヨ
/お客様、それは強くお押しになるものでいらっしゃいます)

んんんーー、その最後の「セヨ」はいらないでしょ~!と思うのです。
それぞれ、

・이 유액은 이렇게 바르시는 거예요(겁니다).
(イ ロショヌン イロッケ パルシヌン ゴエヨ(ゴムニダ)
/このローションはこうやってお塗りになるものです)

・손님 , 그건 세게 미시는 거예요 (겁니다 ).

で充分なはず。文法的に、前者は「ローション」に、後者は「それ」に
尊敬語をつけていることになります。

以前、『シゴトの韓国語』(応用編)を出版する際、

「과장님, 잠깐 시간이 있으세요?」
(クァジャンニム チャムカン シガニ イスセヨ
/課長、少しお時間はおありですか?)

について、先生といろいろ議論しました。
「있으세요 ?」とすべきか、「있어요 ?」とすべきか。
「있으세요 ?」だと、「時間」に敬語を付けていることにならないのか、
いや、「あなたには」「時間がおありか」という意味なので
「あなた」を高めることになるので大丈夫だろう、等々。

結局、韓国の国立国語院に問い合わせたりもし、「있으세요 ?」を採択しました。

でも、冒頭で紹介した2つの文は、この件には該当しませんよね。

先日、今井久美雄先生のご友人からのお手紙をご紹介しましたが、
最後に以下のようにおっしゃっていました。

비슷한 예로 햄버거 가게에서 햄버거를 주문하면 점원이
" 지금 주문이 밀려서 늦게 나오실 것 같습니다 " 라고 합니다.
그러면 솔직히 속으로 (햄버거님이 늦게 나오신다고 ?) 생각하지만
이것도 정말 흔히 볼 수 있는 현상입니다.
(似た例としては、パンバーガー屋でパンバーガーを注文すると、店員が
「ただいま注文が混み合っていまして、遅くにお出になると思われます」と言います。
そうすると、正直なところ心の中で(パンバーガー様が遅くにお出になるって?)と思いますが、
これも本当によく見られる現象です)

なるほど。まさに私が気になっていた部分です!

その昔、日本語の「~させていただきます」に違和感を覚える、という意見も
聞かれましたが、今では多くの企業がビジネス日本語としてこの言い回しを
教えていることでしょう。

自称「ビジネス韓国語の伝道師」としては、最先端の「シゴトの韓国語」として
「ただの名詞にも尊敬語をつける傾向がある」と教える必要があるのか、と
思ったりもしています。

しかし、ああ、「ハシヌンゴセヨ」等々は、本当に気持ちが悪いです。
変な悩みが増えてしまいました(笑)。



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