先日の訪韓で、また新しい言葉を覚えました。新村にある韓国語学習教材専門店、
ハングルパーク
を訪問したときのこと。

約6年ぶりにお目にかかった이사님(イサニム/理事)といろいろ情報交換をする
中で、拙著『シゴトの韓国語
』シリーズを店頭に置けるかなどについて
話しました。どんなふうに卸し、販売し、代金の授受はどうするのかなど。
その中で、イサニムがこうおっしゃいました。

「저희는 외상으로 판매하고 있습니다.」
(チョイヌン ウェサンウロ パンメハゴ イッスムニダ/私どもはウェサンで販売しています)

一瞬、「외 」「상 」で「外商?」と思ったのですが、よく理解できていない私を見て、
理事が詳しくそのシステムを話してくれました。

たとえば出版社から仕入れ、売り、その差額を利益にするという方法ではなく、
出版社には代金を支払わずに店頭に置いておき、売れたら代金を出版社に
支払うという方法、これを「외상 (ウェサン)」というのだと。

それを聞いた瞬間、なるほど、委託販売の類いかな、と思いましたが、
「외상 」で辞書を引くと、「掛け」「付け」等の訳が出てきます。

「ツケでよろしく」「ツケといて」の「ツケ」は、日本では「後で払うよ」「後でまとめて
払うよ」というようなニュアンスがあると思いますが、元はといえば、物やサービスを
手に入れる、または利用したあとに、料金を支払うことなんですね。

帰国するまでは、この言葉は漢字で「外商」と書き、日本語の「外商」とは違う
使い方をしているのだろう、と思っていたのですが、意外なことに、
この「외상 (ウェサン)」には相応する漢字がありませんでした。
そう、固有語の扱いをされています。

また、韓国語ネイティブ先生に「ウェサン」について聞いてみたところ、

「小さい商店の取引という印象で、一般企業では使われていない気がする」
とのことでした。ということは……、まさに日本語の「ツケ!」

やっぱり現地を歩き回り、自分の言葉で話すといろんな発見があるものですね。
ハングルパークにはまだ『シゴトの韓国語』が置かれていませんが、近々実現したい
と思っています。そのときは韓国在住の皆さん、ぜひお手にとってくださいね。




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