最近、日本人、韓国人合同で色紙に寄せ書きをする機会がありました。
早速ですが、「色紙に寄せ書き」と書いて、このメルマガを読んでいる日本語
ネイティブの方ならほとんどが、「しきしによせがき」と読めたと思います。
しかし、日本での生活が長く、とても日本語が堪能な韓国人でもこれを「しきし」と
読まず、「いろがみ」と読んだのです。さらには「寄せ書き」。日本語は「待ち合わせ」「試し書き」など、複合名詞が多いうえ、そんなに頻度の高い単語でないので、
「寄せ書き」にもピンとこないようでした。なるほど、日本で小中高と教育を受けて
いないと、なかなか接しない言葉なのかもしれません。
ただ、韓国にもこの「寄せ書き」のような文化はあります。私も国際交流の場で、
メンバーのみんなから寄せ書きをもらったことがあります。
日本の「色紙(しきし)」は、今は有名人のサインや寄せ書きに使われることが
多いですが、もともと絵画や書道の作品のために用いられていたらしいですね。
そう、色紙(しきし)は日本独特のもので、韓国の場合は寄せ書きをする場合、
画用紙のような紙、模様の付いた可愛い紙などに寄せ書きをするのが主です。
そこで、みんなで寄せ書きをしたものをなんと言うかというと、
「롤링 페이퍼」(ロrリン ペイポ/ローリングペーパー)」
といいます。この「みんなで寄せ書きをしたもの」というのがポイントで、
その紙自体をそう呼ぶのではなく、寄せ書きしたものをそう呼ぶのです。
例えば文房具屋さんに行って、日本で「色紙(しきし)ください」と言えば色紙がでてくるように、「(△)롤링 페이퍼
주세요.(ロrリン ペイポ ジュセヨ/ローリングペーパーを下さい)」と言って、
自分が望んでいる寄せ書き用の紙が出てくるわけではありません。
とにかく大きさや模様など、受け取る人の雰囲気や書く人の数など、自分の考えに合った「색종이(セッチョンイ/色紙(いろがみ)、模様の付いた紙)」を買って、書いたも
のが「롤링 페이퍼」という称号を!得られるというわけです。へぇ~。
というわけで、韓国では「色紙に寄せ書き」をする場合は、こんなふうに表現をし、
寄せ書きをします。
스승의 날에 우리 선생님께 롤링 페이퍼를 쓰자.
(ススンエ ナレ ウリ ソンセンニムケ ロrリンペイポルr スジャ
/師匠の日に私たちの先生にローリングペーパーを書こうよ→寄せ書きしようよ)
유미가 결혼했으니까 우리 돌려 가면서 메시지를 쓰자.
(ユミガ キョロネッスニカ ウリ トリョガミョンソ メシジルr スジャ
/ユミが結婚したから私たちで回しながらメッセージを書こうよ→寄せ書きしようよ)
なぜ「ローリングペーパー」と言うのか韓国人の先生に聞いてみたところ、
「(想像だけれど)‘돌려 쓰다(トrリョ スジャ/回して書く)’という行動、
言葉からきているのでは、とおっしゃっていました。興味深い解釈です。
また、スタッフは韓国の仲間からローリングペーパーを受け取る時、紙が
くるくるっとリボンでまとめられていた、と言っていました。なるほど、これも
「ローリング」だから丸めたのか、丸めて渡すことが多いから「ローリング」に
なったのか、興味深いです。
「色紙(しきし)」からいろんなことを考察でき、楽しいひとときでした!
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