韓国のポータルサイト「ネイバー」には、今大会に合わせ五輪特集ページが開設された。ネイバーはオンライン中継権を得て、主要競技の模様をネットで伝えている。サイトからは競技を見ながらリアルタイムに応援のコメントが書き込めるが、相手国の選手への差別的なコメントが相次ぐ事態となっている。
韓国紙「朝鮮日報」によると、先月30日、陸上女子100メートルが中継された際には、コメント欄に「カムドゥンイは見るだけでイライラする」、「コムドゥンイにカメラを向けるのやめろ、頼むから」などといったコメントが投稿された。「カムドゥンイ」、「コムドゥンイ」はいずれも韓国語で黒人を蔑称する言葉だ。
同日のアーチェリー女子個人準々決勝の中継の際には、韓国代表のアン・サン(安山)選手の対戦相手であるインド代表の選手に向け「カレー女、ため息ついているね」などと冷やかす投稿が上がったほか、試合終了まで「カレー」のワードが継続して書き込まれたという。
また、日本人選手が登場する試合の中継では、韓国語で日本人を蔑視する言葉「チョッパリ」がコメント欄に上がり続けた。
コンセプトの一つに「多様性と調和」を理念に掲げる今大会だが、それとは逆行する事態が韓国において起きていることが浮き彫りになった。
記事は、「ネット記事の下にあるコメント欄とは違い、ネット中継のコメント欄は書き込まれてもすぐに次の新しいコメントに押し上げられ、画面から消えていく。しかし、それでも同じようなコメントで埋め尽くされているようだった」と状況を伝えている。
ネイバーは、差別的な表現が含まれたコメントについては、人工知能(AI)の技術で感知して閲覧できなくする措置を取っているとしているが、問題の解消には至っていない。
五輪特集ページにはコメント投稿欄を設けたネイバーだが、「一部の選手を標的に名誉を毀損(きそん)し、中傷するコメントの書き込みが続いた」とし、昨年8月からスポーツニュースのコメント欄を暫定的に廃止している。
韓国では当時、国内のプロバレーボールリーグであるVリーグでプレーしていたコ・ユミン選手が自ら命を絶っていたことが明らかになり、コ選手を死に追い詰めたのはネット上での悪質な書き込みも一因ではないかとされた。
ネイバーは「モニタリングと技術を強化したが、悪質なコメントの内容とそれによって傷つく選手の苦痛が看過できるレベルを超えたと判断した」と説明し、スポーツニュースにおけるコメント欄の暫定廃止を発表した。
今回、東京五輪ネット中継のサイトに設けられたコメント欄は、一部のユーザーによってまたしても選手を中傷する道具にされてしまった。この問題を指摘した朝鮮日報は、専門家の声も紹介。「韓国は以前から民族主義と人種差別主義が強かったが、依然として克服できていないようだ」とし、韓国社会に根強く残る「過剰な民族主義」や「自国中心主義」に懸念を示した。
今大会では、日本人選手からもSNSを通じた誹謗(ひぼう)中傷の被害を訴える声が相次いで上がっている。SNSの発達によって、選手を中傷する言葉が容易に直接選手に届くようになった。SNSも含め、ネット時代に開かれる五輪の在り方に関して、今後議論していく必要があるだろう。
同時に、中国発祥の儒教に嵌まり過ぎて中華思想や小中華の「序列意識」に陥り、世界の様々な国や民族を序列化してマウントを取りたがる韓国の民族主義も、韓国国内で浄化される必要がある。
日本に負けてはいけないという異常な競争意識も、日本による半島統治の歴史に対する恨みも、その「序列」に反するからもっと激しくなっているものだ。
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