「銭湯」が庶民に愛されてきた点では韓国も日本も同じですがそのイメージはだいぶ違います。普通韓国のアパートにシャワー機と湯船がありますが、湯船につかってゆっくりする頻度は日本に比べて少なく韓国ではほとんどシャワーだけで済ませます。
湯船につかる時は銭湯を利用し、じっくり時間をかけて風呂に入ります。これは気候の違いからくるものではないでしょうか。日本は湿気が多いので汗をかくとべたべたしますので頻繁に風呂に入ってさっぱりしたくなりますが、日本より乾燥している韓国では汗をかいてもすぐ乾くのでわざわざ銭湯に行く必要性を感じないと思います。
この他にも同じ銭湯でもお国柄により料金体系や利用の仕方、はたまた習慣の違いを感じます。
まず料金ですが韓国が大人8,000ウォン(約840円)と日本の500円ほどに比べて割高ですが、これは日本のように毎日かそれに近い頻度で利用するので安いという面はあります。韓国の料金にはタオル(垢すりタオル含む)石けんなどやサウナ利用料(日本も無料なとこもありますが)ドライヤー代も含まれていますので、一概に高いとは言えません。
ここでも入浴料とその他の備品の使用料を分けて設定している日本と、込々でとる韓国の料金設定に“割る”と“混ぜる”の概念が見て取れます。どちらが良いかはさておいて。
韓国人が日本の銭湯で一番驚くのは女性の従業員が何の抵抗もなく男風呂に来てかたづけたり掃除することです。韓国では考えられないことです。男が裸でいるのに女性が平気で入ってくるんですよ!あり得ません!!!
又興味深かったのが浴場で歩き回る時、日本人は男女とも手ぬぐいなどで前を隠しますが、韓国人は隠さず開けっ広げです。もちろん個人差もあると思いますが…。
今はほとんど見かけませんが日本でもっと驚いたのが番台ではないでしょうか?! 入り口の真ん中(男女風呂両方が見れる)で何の抵抗もなく男性または女性が座って平気で料金を受け取ってたことです。
我々男性利用者の中には料金を払う時、女湯をちらっと見れるのでわざと一万円札を出して覗き見していた人もいました。もちろん、私ではありませんが、(念の為^^”)正直言って番台は銭湯に行くたびに一度は座ってみたい場所でした。
その昔は女風呂で三助と言う垢すりの男性(釜焚き、掃除など雑用も)が平気で女性の背中を流していました。
このビックリ体験(女性従業員が男性の浴場に出入りした事)をした韓国の社会心理学教授は“日本人はその女性を人間として認知するのでなく、単なる自分の「役割」をこなす機能”として割り切って捉え、異性と認識しないから可能だと分析し“自分の役割に忠実なのが日本人気質だ”と話しています。
日本の皆さん、どう思われますか?
韓国では銭湯を“デジュンタン(大衆湯)”と言いますが、典型的な利用の仕方を紹介します。
手ぶらで風呂に行きます。入り口で料金を払い、靴をげた箱に入れず管理人に磨くように頼みます(4000ウォン=約420円)。裸になり風呂場に入る前に理容室の椅子に座り散髪をします(1万ウォン=約1050円)。もちろんカットだけで頭は自分で風呂場で洗えば済みますので料金が安いのです。それから湯船につかって体をふやかして垢すりの台に横たわり素っ裸で体を委ねます。パンツなどはきません。全裸で!
もちろん男性が垢を落としてくれますが、中には男のあそこを邪魔だとばかりつままれどかされたりされます。垢すり(1万8000ウォン=約1890円)だけでなく1万2000ウォン(約1260円)を追加すればその場でマッサージもしてくれます。この料金は日本に比べ格安と言えます。後はサウナを出入りしたり湯舟につかったり。
銭湯には体を清潔にしリフレッシュするために行くので、靴を磨いたり散髪、垢すりなどの必要がないと割り切るかもしれませんが、韓国人は“体だけでなく靴も、髪もいっぺんにきれいにさせて何が悪い”と言う考えです。もちろん風呂に入るだけの人がメジャーです。
カルチャーショックは浴場から出てからです。
大きな鏡の前には乳液など化粧品が備えられ綿棒もありドライヤ-もありますが、問題はドライヤーの使い方です。普通日本では髪の毛を乾かし頭をセットするために使われますが、韓国では股の下や足の指を乾かすのにも活用されます。えぇえぇ!! 乾かすドライヤーの機能を髪の毛だけでなく下のあの部分や足の指などを乾かすのに使って何が悪い!と言う発想!!
この発想は“ハサミ”でも応用されています。恐らく皆さんも韓国に来て食堂で焼き肉やキムチなどをお客の目の前でハサミでチョキチョキ切っている場面を目の当たりにしたはずです。最初はそのあり得ない使い方にショックを受けますが、今は当たり前になって抵抗がなくなったのでは…。
先程の社会心理学者は韓国をして短期間に経済発展させた要因の一つに数えていました。
“商品の説明書通りでなく他の用途でも使えるならどしどし活用しようという発想”
※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。
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