韓国”K防疫”の「ウィズコロナ(段階的日常回復)」が施行して1か月半ほどが経過したが、結局その前の状況に戻るというかたちになったということだ。今後の具体的な方案は、社会各層の世論を集め、早ければ今週中にその内容を発表する計画だとみられる。このことにより「ウィズコロナは失敗」に終わることになる。
韓国政府のこのような措置は、ワンテンポ遅い感が否めない。医療界では「手の施しようのないほどの感染者急増を鎮めようとするなら、すぐさま強力な防疫措置を施行しなければならない」と主張してきたが、韓国政府はこれを無視し続けた。ムン・ジェイン(文在寅)大統領も先月、国民との対話で「後退はない」という方針を改めて宣言した。もちろん、民生経済を考慮する立場であることがわからないわけではない。しかし降りしきる急な雨は、まず避けることが先決だ。そのことによる零細自営業者の損失を緻密かつ十分に補償するほうが、より被害を減らすことができる。
防疫措置の成果も期待以下だ。ウィズコロナの施行から1か月が過ぎ新規感染者数が急増したことで「特別防疫対策」を掲げたが、状況はむしろ「悪化の一途」である。一日の新規感染者は瞬く間に7000人を超え、年末には1万人に達する恐れがあるという警告も出ている。重症患者と死者も、連日過去最高値を更新している。きょう(15日)発表の数値でも、一日の新規感染者は7850人で過去最高値を記録した。また重症患者数も964人で、これまでで最も多い数値となった。
さらに、防疫パス(ワクチン接種証明・陰性確認制)は不通状態が続き、子供と青少年へのワクチン接種に関しては保護者たちの反対により困難な状況だ。一般人を対象としたブースター接種(追加接種)も円滑に進んでいない。また、病床の不足で待機中の患者が死亡する事例が発生し、医療従事者たちの頑張りも限界に達し、医療システムの崩壊が懸念されている。
今からでも「防疫の基本」に立ち返るべきだ。災難を避けることはできなくても、徹底して準備すれば被害はいくらでも減らすことができる。韓国政府の「誤判」をこれ以上許すことはできない。国民も個人の防疫守則を一層順守し、集まり自粛など防疫において積極的に協力しなければならない。
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