キム・ジソク の最新ニュースまとめ
ソンギョン食品のイム・ヨンチョン代表は「大韓民国の地図なら当然、独島が表記されるべきだ」と述べた。30年以上食品業界で従事してきたイム社長は、2018年から営業部門の副社長を務めた後、2019年から代表取締役を務めている。イム代表に竹島を付けて海外市場に出回っている海苔の話を聞いてみた。「大韓民国の地図をブランドに掲げたことに対する誇りと責任感を持っています。もちろん、日本への輸出には制約がありますが、地図についてのアイデンティティーを守るために努力しています」
イム代表はこのように話しながら、興味深いエピソードも紹介した。ソンギョン食品が最近アイドルグループBTSの『TinyTAN Gim(キム:韓国語で海苔)』を発売したことで、日本からも反応があったのだ。竹島が描かれた地図表の代わりにソンギョン食品の「SG」だけにロゴを変更してほしいという要請だった。竹島表記の他にも、ソンギョン食品は興味深い点がかなり多い会社だった。記者はすぐ次の質問で「ソンギョン(聖書)」という会社名の意味を尋ねた。キリスト教と関連があるという予想に反して、意外な答えが返ってきた。これほど長い間、大衆に大きく誤解を受けてきたブランドが他にあるだろうか。
「『ソンギョン』は成し遂げる“成”に都の“京”で、海苔の首都になるという意味です。海苔を通して大田(テジョン)に位置する地方中小企業が最高レベルに跳躍するという意志を反映したのです」
そのブランド名のように、現在、ソンギョン食品は成長街道を走っている。この3年間で内需中心の営業から輸出市場を拡大した結果、売上高が25%成長した。輸出国は米国、カナダ、中国、ベトナム、シンガポールなど約20カ国に増えた。2017年に約5億ウォン(約4816万円)にすぎなかった輸出額は、昨年には約200億ウォン(約19億2600万円)と、3年で40倍に成長した。
輸出比重が最も高い国は米国だ。イム代表は「米国・ホールフーズの場合、米国市場に適したブランディングとマーケティングが必要な理由で、米国現地ブランド『キムミー(gimMe)』を通して、昨年初めから販売を行っている」と述べた。ホールフーズの厳格な基準を満たすためにUSDA(米国有機栽培)、ヴィーガン(vegan、厳格な菜食)、グルテンフリー(Gluten-Free、不溶性タンパク質の一種であるグルテン不使用)など、さまざまな認証を確保し、審査を通過するために重金属、微生物に関する管理を徹底していると話した。複雑な過程に念を入れる理由には、海苔に対する東西洋の認識の違いがあった。
「韓国では海苔は馴染みのある食材ですが、海外では“海の雑草(seaweed)”という名前からも分かるように、食材としての認識は不十分です。このため、食品としての安定性を見せようと、より一層努力しています」
消費の方法も違うという。韓国の”おかず”としての用途とはかなり異なる方法だ。
「海外では海苔を軽いスナックとして食べます。より健康的で、軽いおやつを食べようとするウェルビーイングトレンドですね。そこで、輸出用は概して塩度が低く、一口で食べやすいようにカットされた商品の反応が良いです。シーズニング(seasoning、味付け)海苔やアボカド油、オリーブ油、天日塩を入れた海苔など、さまざまな製品を輸出しています」
アメリカでは海苔が“ビーガンフード”として知られ、健康食に活用する方法も好まれている。サラダにかけて食べたり、アボカドやサーモンなどをのりで巻いて食べる方法だ。関連レシピはSNS(ソーシャルネットワークサービス)でも活発に共有されている。国内市場の変化も気になる。イム代表は「おつまみやおやつへの転換が少しずつ行われている」と話した。
「韓国では“海苔をご飯と一緒に食べる”という認識が強いが、最近ではスナック菓子用としての消費方法が少しずつ拡大しています。このため、キムブガク(のりを揚げたもの)スナックをはじめ、麻辣味、ブルダック味、チーズ味のように、さまざまなシーズニング製品を披露しています。テレビでも歌手ペク・ジヨンが海苔を間食として楽しんだり、俳優キム・ジソクがおつまみとして海苔キムブガクを食べる姿が放送され、若者を中心に消費方式が徐々に変化しているようです」
イム代表は最後に「まだ海苔を食べ物として接する世界人が非常に少ない」と残念そうに話した。海外では安全で健康的な食材として海苔を広め、国内ではおかず用という固定された消費分野を拡大しなければならないという課題が残っている。いずれも容易なことではないが、ウェルビーイング食材である韓国海苔が“気分のいい変身”を遂げることができ、期待される分野でもある。
Copyright(C) herald wowkorea.jp 84