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経営難で苦しんでいるカンソン(澗松)美術館が、国家指定文化財の国宝2点を競売にかける。国宝が競売に出品されるのは、韓国で今回が初めてだ。
ケイオークションは14日、今月27日にソウル市カンナム(江南)区シンサドン(新沙洞)の本社で開かれる今年初のメジャーオークションに、国宝の「金銅三尊仏龕」と「癸未銘金銅三尊仏立像」が出品されると明らかにした。
国宝「金銅三尊仏龕」は11~12世紀に製作されたとみられる高さ18センチの仏龕(ぶつがん)で、寺院内部に作られた仏殿をそのまま縮小したような形をしている。推定価格は28億~40億ウォン(約2億7000万~約3億8000万円)だ。
国宝「癸未銘金銅三尊仏立像」(563年)は6世紀初め、東アジアで護身仏として流行した金銅三尊仏だ。光背の中に主仏像と両側に脇侍菩薩が刻まれた「一光三尊」形式で、光背の裏面に正確な造成年代が分かる銘文が刻まれている。
澗松美術文化財団はこの日、「澗松の未来のために悩み抜いて決めた。何卒ご理解いただきたい」と付け加えた。
澗松美術館は国宝ではないが、2020年5月に所蔵品(金銅如来立像と金銅菩薩立像)を競売に出品したことがある。当時、澗松美術館所蔵の文化財が初めて公開競売にかけられ、世間の耳目を集めたが、2点とも成約できずに流札された。その後、国立中央博物館が2点とも購入した。
澗松美術館は、事業家の澗松チョン・ヒョンピル(全鎣弼)氏(1906~1962)が1938年、宝華閣(1966年澗松美術館に改称)という名で建てた韓国初の私立美術館だ。美術館は文化遺産を保護するために伝統書画や陶磁器などを買い入れ、訓民正音やシン・ユンボク(申潤福)の美人図などの文化財で有名になった。
ただ、「支援を受ければ干渉が伴う」という澗松家の家訓が、必然的な財政難を招いたと評価されている。財団が設立された2013年までの75年間、美術館は外部の支援を受けなかった。美術館の所蔵品は、すべて子孫の個人所有という。財団設立以前、澗松美術館は年に2回だけ所蔵品を無料で展示してきた。
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