今年7月8日、安倍元首相が参議院選挙の遊説中に銃撃され、悲劇的に人生の幕を閉じた。歴代最長寿在任日数を記録した首相であり、政権自民党内の最大派閥の首長である安倍元首相の突然の死に、日本列島はまさしく“衝撃”を受けた。イ教授は安倍元首相襲撃事件を振り返り、講演の扉を開いた。
韓国人コメディアンのユ・ミンサンが「日本と言えば“治安の国”だったが、元首相の殺害とは衝撃的だ」と言うと、イ教授は安倍元首相の殺害は政治的背景がない無差別殺傷事件だと話し、皆を驚かせた。特別な理由もなく人を殺害する、別名「通り魔」犯罪が2000年代後半から日本でまん延しているが、安倍元首相もその被害者だとイ教授は分析した。
21世紀の日本政治の中心だった安倍元首相の死去。国民の反対世論にもかかわらず、日本政府は今年9月27日に安倍首相を追悼するための国葬を準備中だ。イ教授は強大だった安倍元首相の影響力を証明するものだと付け加えた。安倍元首相は国益のために国際社会で主導的な役割を果たしたと伝えたイ教授は、安倍元首相と米国のオバマ元大統領が広島と真珠湾を相互訪問し、犠牲者に向かって哀悼した事例を挙げた。
安倍元首相が反中国の日米同盟構図を作るために積極的な外交を展開したということだ。これに対して、番組の出演者たちは「米国には謝罪し、私たちにはなぜ謝罪をしないのか」として歴史を認めない日本の差別的態度に対して怒りを表現した。
一方、イ教授が挙げた安倍元首相の念願は、まさに日本を戦争可能な“普通の国家”にするための平和憲法改正だった。戦争放棄と軍隊の未保有が核心である平和憲法を改正し、軍隊を保有して軍事大国に進もうということだ。しかし、安倍元首相の悲劇的退場後、超長期不況に見舞われている日本にとって至急なことは改憲論議よりも経済問題の解決だとし、直ちに憲法改正は容易ではないだろうとイ教授は見通した。
それならば、日韓関係はどうなるだろうか。日本が「失われた30年」を経て沈滞している間、K-ブームを起こし経済的・文化的に黄金期を迎えた大韓民国。これに対して、イ教授は「うぬぼれてはならない」と警告した。
イ教授は「1990年代の日本の全盛期と現在の韓国の状況が似ている」とし、「韓国が日本の二の舞を踏まないためには、現実を冷静に見なければならない」とイ教授は強調した。また、新政権発足後の韓国に対する日本の反応も伝え、「あまり急がず、改善のきっかけを模索しなければならない」と講義を終えた。
安倍元首相の悲劇的な退場、そして安倍元首相の死は日本にどのような変化をもたらすのか。また、日韓関係はどのように流れていくのか。韓国外国語大学のイ・チャンミン教授の講演は8月14日午後7時10分からKBS1「イシューPICK 先生と共に」で確認することができる。
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