来月の電気・ガス料金の請求書が怖い…最低賃金まで上昇したら経営は=韓国報道(画像提供:wowkorea)
来月の電気・ガス料金の請求書が怖い…最低賃金まで上昇したら経営は=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「今も電気料金が多い時には月に250万ウォン(約26万円)かかっていますが、電気料金の値上げでさらに20万ウォン(約2万800円)から30万ウォン(約3万1000円)はかかりそうです。1時間に1000ウォン(約104円)の商売をしているのに、固定費だけが増えて大変です。」

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今月19日の午後に訪れたインチョン(仁川)市ヨンス(延寿)区のあるネットカフェ。計80台のパソコンを設置したこの店に、客は3人だけだった。離れて座っている客たちが店内が暑いと訴え、仕方なく3台のエアコンも動かしていた。

ネットカフェ経営者のイさんは「お客さんに集まって座ってくださいと言うこともできず、サービス業を運営する上でやむを得ない運営費がかかる」と話し、「新型コロナウイルスの影響で営業制限を受けていた業種なので、お客さんが来るのは嬉しいことだが、電気料金が急激に上がって大きな負担になっている」と語った。

明け方にはさらに客が少なく、高い最低賃金を負担してもアルバイトを探すことは難しい。24時間営業をやめることはできないため、午前3時から午前9時までは無人システムで運営している。

自営業者の悩みが深まっている。新型コロナウィルスの感染拡大期でさえ、持ちこたえれば状況が改善すると期待しながら、融資を受けながら耐えてきたが、公共料金と原材料価格の上昇、最低賃金の引き上げなど新たな難関が出てきた。

ピョンチャンドン(平昌洞)でパン屋を経営する40代のパクさんは「月に30万ウォン程度かかっていた電気代が、2か月前からさらに10万ウォン(約1万400円)ほどかかっている」と語り、「パン屋なのにどうやってオーブンを使わずに商売しろと言うのか」と吐露した。パクさんは続けて「材料費も全般的に20%上昇したが、だからといってパンの値段を20%上げるわけにはいかない」とも話し、「500ウォン(約52円)だけ値上げしてもお客さんは一気に高くなったと感じる」ともどかしがった。

在来市場で生活必需品を販売しているキムさんも「体感上、電気代が数年前に比べて2倍は上がったように感じるが、利益はそれほど増えていない」と語り、「電気代だけでなく賃貸料、人件費、税金などが相次いで上がったが、店をたたんで他の仕事をすることもできないので、何とかこのままやってみようと思って商売をしている」と話した。

韓国電力公社の電気料金の販売単価は1キロワット時(kWh)当たり150ウォン(約15.6円)に値上がりした。2022年1月の114.78ウォン(約12円)と比べると約30%ほど値上がりした。2022年4月と7月、10月の3回にわたって電気料金を引き上げたのに続き、今年の第1四半期に1キロワット時当たり13.1ウォン(約1.36円)引き上げた影響によるものだ。

ガス代の負担も大きくなった。韓国ガス公社が2022年に都市ガス用天然ガスの供給単価を3回にわたって引き上げたことで、ソウルの都市ガスの小売料金は1メガジュール(MJ)当たり19.69ウォン(約2.05円)になった。これは1年前より38.4%値上がりした水準だ。

さらに16日から電気料金は1キロワット時当たり8ウォン(約0.83円)、ガス料金は1メガジュール当たり1.04ウォン(約0.11円)をそれぞれ引き上げた。零細業者の負担はますます大きくなるばかりだ。

チャ・ナムス小商工人連合会政策広報本部長は「ガスと電気は経営に必須な要素」と語り、「エネルギーバウチャーなどを発行してエネルギー費用をサポートし、経営負担を最小化できる仕組みを法制化して危機に対応する政策を用意すべき」と強調した。

来年度に行われる最低賃金の上昇も懸念材料だ。労働界では来年度の最低賃金として、今年より24.7%高い1万2000ウォン(約1250円)を要求している。

ソウルのコンドク(孔徳)市場の近くでうなぎ料理の食堂を運営するハンさんは「最低賃金の時給9620ウォン(約1000円)では人が集まらない。時給1万2000ウォン程度は払わないと応募が来ない」と話し、「長く働いてくれているスタッフには時給1万7000ウォン(約1770円)を払っているが、最低賃金がさらに上がれば時給2万ウォン(約2080円)は払うことになる」と愚痴をこぼした。ハンさんは「昼食時には1人で店を切り盛りし、夕食時のスタッフも4人から2人に減らした」と話した。

実際に、最低賃金が急激に上がり始めた2018年頃から従業員を雇えない「一人社長」は398万7000人から2022年には426万7000人まで急増した。反対に、従業員を採用した自営業者は2019年の153万8000人から2022年には136万5000人まで減少した。

チョルラナムド(全羅南道)で飲食店を営むパクさんは「所得に含まれないよう現金で賃金をくれと要求されることもあるが、人が入って来ないので聞いてあげなければならない」と述べ、「退職金と週休手当てを要求される場合もある」と吐露した。

チュンアン(中央)大学経済学科のイ・ジョンヒ教授は「新型コロナ以降、個人事業主のもとで働いていた労働者が配達や宅配市場に移り、人材の偏りが深刻化した」と述べ、「業種別差別適用の導入時に比較的賃金が低い市場の人材難が深化するという副作用が現れる恐れがある」と指摘している。
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