<W解説>浮島丸事件から79年＝真相解明に不可欠な乗船者名簿の全面公開

太平洋戦争終戦直後の1945年8月24日に京都の舞鶴湾で起きた浮島丸事件から79年となった今月24日、犠牲者を追悼する集会が舞鶴市で開かれた。浮島丸は舞鶴湾で爆発・沈没。乗っていた多数の朝鮮半島出身労働者らが犠牲になった。舞鶴市下佐波賀に立つ「殉難の碑」の前で行われた追悼集会には、関係者ら約250人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。事故の原因や正確な乗船人数は現在も分かっていないが、今春、日本政府が長年「存在しない」としてきた乗船者の名簿が厚生労働省に存在することが明らかになり、ジャーナリストの情報公開請求にその一部である3点が開示された。しかし、個人情報を理由に、氏名などはマスキングされ、真相究明に繋がる情報は乏しかった。24日の追悼集会を主催した舞鶴市の市民団体「浮島丸殉難者を追悼する会」の品田茂会長はこの日、政府が保有している名簿の全面的な公開を求めた。