【ソウル11日聯合ニュース】対日貿易赤字の根源的問題となっている部品・素材分野の赤字が、さらに悪化している。景気悪化による輸入減で貿易黒字が拡大しているのとは対照的だ。名目上の赤字規模はやや減ったものの、輸出の減少が輸入の減少をはるかに上回る水準で、円高を機に「逆サンドイッチ効果」を狙おうとした政府の当ては外れた格好だ。
 大韓貿易協会が11日までにまとめた資料によると、先月、日本に輸出された韓国製の部品・素材商品は6億4400万ドルで、前年同月に比べ43.5%激減しほぼ半分の規模となった。最悪の輸出減を記録した1月(7億4800万ドル)よりも1億ドル以上落ち込む不振だ。一方、日本からの輸入額は20億7100万ドルで29.9%減にとどまっている。2月の対日部品・素材赤字は14億2700万ドルで、前年同月(18億1300万ドル)に比べ約4億ドル減ったが、内容上は深刻な状況となっている。

 1月にも対日部品・素材輸出は前年同月より35.8%減少し、輸出全体の減少幅(33.0%)を上回った。同じ月の輸入減少幅(36.2%)と類似した水準にとどまっている。

 細部現況分析が可能な品目の1月の輸出動向をみると、最も不振が深刻なのは、部品・素材分野のなかでも対日輸出額が比較的大きい電子・映像・音響・通信機器部品だった。これら品目の対日輸出額は1億5642万9000ドルで、前年同月に比べ56.3%急減した。化学・化合物製品の輸出額も1億1723万2000ドルで、27.4%減少した。分野別全品目の輸出が減少したなか、一般機械部品(1億4409万7000ドル)の減少幅は9.8%と、良好な方だった。

 政府は昨年から、部品・素材専用工業団地を造成し日本企業を誘致し、統計上の対日部品・素材赤字を軽減する案を進めている。また、最近の急激な円高を活用し競争力を確保した韓国製部品・素材の対日輸出を拡大するため、日本のグローバル企業を招待する逆見本市を来月開催する計画だ。

 ただ、日本の景気は昨年から悪化しており、ことし1月は輸出額が前年比45.7%、輸入額が同31.7%、それぞれ減少している。日本市場攻略は次第に難しくなっているというのが、一般的な分析だ。これについて、政府関係者は「まだ時期的に円高を活用した対日赤字改善策が本格的な効果を示すのは難しい」と指摘。円高が続き国内企業の対日部品・素材供給も拡大の兆しが見えるとし、さらに見守る必要があると話した。

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