PSY=(聯合ニュース)
PSY=(聯合ニュース)
PSY(サイ)が韓国歌謡界の歴史を書き換えている。ダンス曲「江南スタイル」の大ヒットにより、PSYは韓国人アーティストでは最初の世界的スターになった。
 同曲はリリースから約2か月で数々の記録を打ち立てている。世界各地でミュージックビデオのパロディーがつくられ、海外のポップスターやハリウッドスターも夢中だ。米国でのプロモーション活動や打ち合わせを終えて帰国したPSY自身も、25日の記者会見で、こうした状況を現実とは思えないと話している。
 PSYの快進撃はまだ現在進行形だが、ここまでの記録を振り返るとともに、ヒットの背景を探った。

PSY の最新ニュースまとめ

◇世界の主要SNS・チャートを席巻
 「江南スタイル」の人気に火をつけたのは動画投稿サイト「ユーチューブ」だ。26日現在、ミュージックビデオの再生回数は2億8700万回を超えている。7月15日に動画が公開され、今月4日に1億回、12日に1億5000万回、18日に2億回、24日に2億5000万回を記録した。ユーチューブに掲載された韓国のコンテンツとしては初めて1億回を突破した。累計再生回数の世界順位も一気に上がり、25日までの集計で28位につけている。
 これを追い風に20日には、ギネスブック世界記録から、ユーチューブで史上最多の「高く評価」(「グッド!」)を記録したミュージックビデオと認定された。
 楽曲も海外音楽チャートを席巻している。米ビルボードのシングルチャート「ホット100」で64位と、韓国アーティストで最高順位を記録し、19日には11位まで駆け上がった。
 韓国の音楽評論家イム・ジンモ氏は、トップ10入りは確実で、この勢いならば1位の可能性も高いとする。PSYも首位獲得の期待を膨らませているようだ。
 なお、アジアから同チャートで首位に立ったのは、1963年の坂本九の「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」のみ。
 また、米楽曲配信サイト「iTunes(アイチューンズ)」のチャートでも、25日に世界35カ国で1位、トップ10に入った国も約20カ国ある。世界のアイチューンズのチャートを集計した「ワールドワイドチャート」でもトップとなった。
 全英シングルチャートではシングル部門で3位につける。1位に浮上し英米チャート制覇を期待する声も韓国には多い。
 来年2月に開かれるグラミー賞授賞式で新人賞にノミネートされる可能性もささやかれ始めた。

◇MV・曲・ダンスで笑いをとった
 「江南スタイル」の人気爆発は、ユーチューブやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などデジタルメディアの役割が大きいが、B級テイスト漂うコミカルなミュージックビデオがなかったならば、これほどではなかったはずだ。
 PSYはヒットの秘訣(ひけつ)について「歌手なのに笑わせてヒットしたことが笑えるが、笑わせたのが良かったのだろう。シリアスでないところが新鮮だったと、よく言われる」と話した。
 イム氏も「ミュージックビデオは最初の場面から笑わせ、見ると愉快な気持ちになる。ユーチューブで高く評価の最多記録となったのもそれが理由」と分析した。
 PSYと一緒に仕事をしたことのある著名なミュージックビデオ監督のホン・ウォンギ氏は、PSYならではのユーモアをわかりやすく表現したと評価。公園やバス、銭湯などさまざまな場所とキャラクターを登場させ、最後には全員で踊ったことに、みんなを常に巻き込もうとするPSYの姿勢が表れているのだという。
 また、韓国語の歌詞ながらノリやすく歌いやすい歌と、まねしやすいダンスは、インターネット上の関心を現地の大衆文化へと浸透させる役割を果たした。イム氏によると、歌いやすく踊りやすいことはヒットの第一条件で、江南スタイルはこれを満たしている。

 PSYとともに作曲に携わったユ・ゴンヒョン氏は「トレンドに取り残されまいと考えてつくった。英米ポップのトレンドであるエレクトロポップで、サビが繰り返されるクセになるサウンドが特徴。『乗馬ダンス』ともぴったり」と説明した。
 このダンスは大勢で踊ることができ、これで世界を制したと言われるほど。振り付けを担当したイ・ジュソン氏は「実際はとても簡単な動きというわけではないが、見た目にはまねしやすそうに思える。それをまたPSYが、彼らしく、おもしろくこなした」と説明した。
 米国からのラブコールに応えPSYが早速現地に飛んだことも、成功要因の一つに挙げられる。留学経験を持つPSYだが、自分の英語力には満足していないようだ。それでも「よその国で笑わせたくてたまらない」と、どこまでも前向きだ。

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