オム・ジュンヨン氏=(聯合ニュース)
オム・ジュンヨン氏=(聯合ニュース)
韓国人なら人気アニメーション「ポロロ」を知らない人はいないだろう。
 「ポロロ」ほど知名度はないものの、今、幼児を中心に人気を集めるアニメーションが「ロボカーポリ」だ。昨年2月28日、韓国EBS(教育放送)で放送を開始し、平均視聴率は5.24%、最高視聴率は9.58%と同テレビ局で最高を記録した。
 昨年の子どもの日には関連キャラクターのおもちゃが全国的に品薄になり、今年に入ってもその人気は続いている。今年1~6月までの同アニメーションの韓国市場規模は、約1500億ウォン(約105億円)といわれる。
 その人気は国境を越え、フランスで大人気となり、ベルギーやスイスなどの欧州11カ国と日本、香港、インドネシアなどアジア各国への輸出が決まっている。制作会社によると2013年までに世界100カ国余りに進出予定だという。
 この話題作をつくった女性監督、オム・ジュンヨン氏は「初めにこの企画が持ち上がったときは正直、自信がありませんでした」と振り返る。それでも、企画を進めていく段階でうまくいくという確信に変わり、成功するのではないかと思うようになったという。
 「驚くのは自動車が主人公なのに女の子にも人気があるということです。そして、世界の子どもたちが楽しんでくれてとてもうれしいです」と話す。
 オム氏はシナリオの執筆からキャラクターの声の吹き替えまで、さまざまな場面に直接関わっている。10歳と7歳の息子を持つ母親でもあるオム氏は、男の子を育てている経験が作品に生かされていると語る。
 同作品はポリ、ロイ、エンバー、ヘリなど自動車に変身するロボット救助隊の活躍を描いたものだ。子どもたちが日常生活で経験する危ない場面を取り上げ、友達や母親のような救助隊が危機的瞬間に現れるという内容だ。
 「長男がまだ小さい頃、仕事が忙しくてそばにいてあげられませんでした。大人にとっては大した問題ではないけれど、子どもにとっては大きな問題だったりすることがあります。そんなときには母親や友達の助けが必要なんです。私はそばにいてあげられなかったけれど、もし一緒にいたらしてあげたかった話をこの作品の救助隊を通し表現しているんです」と、作品への思いを話した。
 エピソードのアイデアは息子たちからもらうことが多いと語るオム氏。
 「誰かに自分の友達になってほしいという気持ち、困ったときには誰かに助けに来てほしいという気持ちはどんな子どもでも同じです。そんなところが韓国だけでなく世界の子どもたちから共感を得ているのでは」と子どもの気持ちに寄り添った。

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